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星(恒星)が急に明るさを増して、まるで新しい星が生まれたように見える現象を「新星」または「超新星」と呼んでいます。その原理と違いは以下のとおりです。
【新星】
恒星が数日といった短期間のうちに9~13等も爆発的に明るくなり、その後ゆるやかに減光して爆発前の状態にもどるのが「新星」です。
新星の本体は近接した連星系で、巨星に進化しつつある星から白色矮星へとガスが流れ込み、白色矮星の表面に降り積もったガスが核爆発を起こすことにより急激に明るく輝きます。これは、その星自体の輝きが強くなる現象なので、減光したあともその星は残っています。
▲新星爆発の想像図
巨星(右)から白色矮星(左)へとガスが流れ込む
(Illustration Credit & Copyright: David A Hardy & PPARC / NASA)
【超新星】
新星よりも急激に、ある日突然明るく輝き始めるものが「超新星」です。明るさは新星の100万倍にもなり、その後、数年で暗くなっていきます。超新星には単独星型と連星型があり、新星とは区別されています。
・単独星型 ( II 型、 Ib 型、 Ic 型 )
大質量の星 (太陽の8倍以上の質量をもつ恒星)が一生の最後に起こす爆発(超新星爆発)によって明るく輝くものです。爆発の後、中心には中性子星やブラックホールが残されます。
・連星型 ( Ia 型 )
新星と同様の現象ですが、爆発後、白色矮星は粉々になってなくなります。
なお、超新星では1054年におうし座で見られたものが有名です。銀河系内の比較的地球に近い星が起こしたので、昼間でも見えるまで明るくなり、その記録が日本や中国に残っています。また、1987年には大マゼラン雲に現れたものが話題になりました。
超新星は、毎年複数個発見されていますが、ほとんどが銀河系以外の銀河の中のものなので、肉眼では見られない明るさのものが多くなっています。