■観測データ
観測者 :小石川正弘
観測機材 :26cm反射望遠鏡 31cm反射望遠鏡 ATK-2Cカメラ
レジスタックス、ステライメージ、フォトショップにて画像処理
観 測 地 :青葉区愛子東6丁目地内
観測者コメント:今から44年前、わずか9cmの反射望遠鏡で惑星観測を始めました。
惑星の中でも木星と土星を中心に観測を行ってきました。
木星観測の魅力は模様変化の激しさ、土星観測の面白さは環の傾きでしょうか。
天界のピエロと言われている土星、太陽を一回りするのは約30年もかかります。
その間も刻々と環の見え方は異なるのです。
環がいっぱい開けば、その内部の様子を詳しく観測します。
そして天の赤道を通過するときに「環の消失」現象を見ることが出来ます。
消失といっても完全に消えるのではなく、厚さが薄すぎて見えなくなるだけ。
その厚さはどれくらいあるのでしょうか。
私が観測を開始した頃の環の厚さは15kmでした。
そして現在、観測精度も向上し、わずか100mほどと言われています。
地球からおよそ13億キロも離れている土星ですから
100mの環の厚さでは、超薄すぎて見えなくなるのも当然ですね。
ある日、職員のMさんから「環の傾き変化がわかるような写真は無いでしょうか」
とのご注文。
言われてみると、そのようなまとめ方はしていませんでした。
早速、膨大な観測画像の中から良い画像を探し出してまとめて見ました。
環の傾きの面白さもありますが、その年の模様や色調の変化にも注目してください。