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太陽を直接目で眺めると、「日食網膜症」という目の障害が起きたり、「失明」する可能性があります。過去の日食でも、危険な観察をしたために、網膜が傷ついた等の事例が複数報告されています。太陽の光はとても強く、目に有害な光も混ざっています。また、わずかな時間であっても目を傷つけてしまう可能性があります。必ず日食グラスを使ったり、ピンホールで投影するなど、正しい方法で観察を行ってください。
日食グラスの代用として、サングラスや下敷き、ススを付けたガラス、カメラのフィルム、カメラ用のND(減光)フィルター等を使うことは大変危険です。ほんのわずかな時間でも、太陽の光で角膜や網膜を傷つけてしまう可能性があります。
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※日食網膜症
不適切な方法による日食観察で起こる目の障害の総称。一過性で軽快する例から永続的な視力低下に至る例まであります。観察直後は異常がなくても、数時間後に目が痛む、視野の真ん中に影が生じる、ものが歪んでみる、視力が低下するといった症状が出ることもあります。
(日本天文協議会・日本眼科学会・日本眼科医会の資料より抜粋)
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興味が赴くままに太陽を観察しようとすると、目を傷めてしまうだけでなく、交通事故などにあう危険性も高くなります。車が多い道路や駐車場などでの観察はとても危険ですので周囲の安全に配慮しながら観察しましょう。

<観察方法>
☆日食グラスを使う
日食グラスは太陽を見るために作られた特別なメガネで、太陽から出ている目に有害な光をカットするように作られています。フィルターの部分を目に当てて、太陽の光がじかに目に当たらないようにしながら眺めてください。ただし、長時間の使用は危険です。連続でも1分以内とし、休みながら観察するようにしましょう。目に違和感を感じた場合はただちに観察をやめてください。また、うす雲がかかった場合でも、直接見るのは大変危険ですので、必ず日食グラスを使ってください。
※日食グラスは使用する前にフィルターに傷がないかどうかなど、不具合がないかどうか必ずチェックしてください。
☆ピンホールや木もれ日で観察しよう!
紙に押しピンなどで小さな穴を開けて、太陽の光を通して地面などに映して見ると、太陽の形がそのまま映ります。好きな形や文字の形に穴を開けて投影するとより楽しめます。お菓子の包装に使われている筒や、うちわに穴を開けてもよいでしょう。同じ原理で、木もれ日も小さな隙間から太陽の光が通って地面に映るため、太陽と同じ形になります。映った太陽の様子を写真で撮影すると、わかりやすい記録を取ることが出来ます。
◎ピンホールの最適な穴の大きさは?
<ピンホール作成のめやす>
穴の大きさ:投影位置までの距離
1.5mm:およそ1m
5mm:およそ10m
☆望遠鏡に太陽投影板をつけて観察
屈折望遠鏡と太陽投影板がある場合、正しい使い方をすれば、安全に太陽を観察することが出来ます。
望遠鏡を直接のぞくと、太陽の光は大変強い上にレンズで光が集められているため、大変危険です。絶対に止めてください。また望遠鏡と投影板の間は太陽の光が集められていて危険なので、顔を入れたりしないように注意してください。
▲太陽投影板
※望遠鏡の使い方に慣れていない場合はお勧めしません。