天体観察ガイド「2016 火星を見よう」

2016年、火星が見ごろを迎えます。
火星は、太陽の周りを約687日で回っているため、約365日で回っている地球と約2年2ヶ月ごとに近づきます。すると、普段よりも地球と火星の距離が近いために明るい姿を見る事ができるのです。
※詳しい説明はこちら → 天文Q&A.024 「火星接近」ってなに?

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★いつ、どんなふうに見えるの?
今年最も近づくのは5月31日。地球から7,528万㎞まで近づきます。
この頃になると-2等級ほどで輝くようになり、夜空の中で一際目を引く存在となるでしょう。
年が明けてすぐの1月ごろには1等級ほどの明るさなので、日に日に明るさが増していく姿をチェックしてみるのもおすすめです。

 

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また、8月24日ごろはさそり座の1等星アンタレスの近くで輝きます。
アンタレスには、アンチアーレス(火星に対抗するもの)という意味があり、2つの星が明るさと赤さを競っている姿は必見です。8月24日前後の空にも注目しましょう。
さらに、この頃にはすぐ近くに土星も輝いていて、3天体の競演を楽しめそうです。

 

 

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望遠鏡で観察すると、火星が近づくにつれて、見た目のサイズが大きくなっていくように見えます。 2月末ごろから観察すれば、5月にはその2倍ほどのサイズになった火星を見られるでしょう。

 

地球の公転軌道が円に近いのに対して、火星の公転軌道は楕円形をしているため、最接近距離はその都度異なります。今回の接近は「中接近」と呼ばれる規模のものです。

次回の火星の「最接近」は2018年で、そのときは今回よりももっと近づく「大接近」となります。

今年の火星を目に焼き付けて、2018年の大接近と比較してみると、太陽系のスケールが少し感じられるかもしれません。 

 

※詳しい説明はこちら → 天文Q&A.024 「火星接近」ってなに?