2018/07/31 火星大接近

火星がアツい!
2018年、火星と地球が大接近します。
大接近となるのは、なんと15年ぶりなのです!
流行に乗り遅れないために、火星情報をチェックしておきましょう。

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○火星の接近とは?

太陽系の惑星の一つである、火星。
火星は地球の外側を回っていて、約2年2ヶ月ごとに地球と近づきます。
前回の接近は2016年5月31日でした。
下の図は地球と火星の位置を、約5ヶ月ごとに表しています。

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地球と火星は、まるで追いかけっこをしているように追いつき、追いこしを繰り返しています。

このとき、地球と火星の距離が最も近くなる時を「最接近」といいます。
2018年は7月31日に最接近を迎え、地球から5759万kmまで近づきます。



○大接近とは?
最接近の距離は毎回違います。
その理由は、地球と火星の軌道にあります。
ほぼ円形の地球の軌道に比べて、火星の軌道は少しつぶれた楕円形をしているからです。
地球と火星の軌道が最も遠い時を小接近、最も近いときを大接近と呼んでおり、2018年は15年ぶりに大接近となるのです。
下の図にあるように、接近する距離によって見た目の大きさが異なります。
大接近となる今年は近づくことによって、小接近の約1.7倍も大きく見えます。

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○火星大接近の楽しみ方
約15年ぶりの大接近ならではの、火星を見るおすすめポイントをご紹介します。

【肉眼編】

☆明るさを楽しむ

近づくにつれ、だんだんと明るくなっていく火星の姿を見ることができます。
火星は、年が明けてすぐの1月ごろには1.5等級、最接近の7月31日頃には-2.8等級ほどで輝きます。
大接近となる時刻は7月31日16時50分、日本では火星はまだ昇ってきていません。
南の空に高く上がった22時30分頃が見やすい時間帯となります。
「火星の大接近」と聞くとその瞬間だけのように思いますが、最接近の前後数週間は接近した状態が続くため、普段よりも数倍明るい赤い火星を見ることができます。

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☆火星の見分け方

火星の大気はほとんどが二酸化炭素で、地面は岩や砂でおおわれています。
地面に多く含まれる赤錆が太陽の光に照らされるため、火星は赤い星にみえます。
他の星と色を比べてみると、その赤さを感じることができます。
最接近の7月31日の前後数日は20時頃に、東から西にかけて火星、土星、木星、金星を一度に楽しむことができそうです。
この日、火星はどの星よりも赤く明るく輝いているのですぐに見つけられるでしょう。

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更に詳しく観察してみたい人はこちら:天体観察ガイド「2018 火星を観察しよう」

【望遠鏡編】

☆模様を楽しむ
大接近時の火星は特に大きく見えるので、表面の模様まで楽しめます。
下の写真は前回の火星大接近2003年に撮影した火星の表面の様子です。
火星の表面には「極冠」と呼ばれる、地球の「北極」や「南極」のようなエリアがあります。
大気のほとんどを担う二酸化炭素が凍りドライアイスになっているため、白っぽい色で観察できます。
また、正面に目立つ逆三角形の黒っぽい模様は「大シルチス」と呼ばれています。
火山岩の台地のため黒く見えています。
※砂嵐が起きて見えにくい場合もあります。

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望遠鏡で更に詳しく観察してみたい人はこちら:天体観察ガイド「2018 火星を観察しよう」