火星が地球に接近してくる様子を撮影することができました。
望遠鏡で観察すると徐々に大きく見えてくるため、近づいていることを実感することが出来ました。
火星は,太陽の周りを約687日で回っているため,約365日で回っている地球と約2年2ヶ月ごとに近づきます。2016年は5月31日に地球と火星が最も近づき,地球から一番遠い時の1/7程の7,528万㎞まで近づきました。
また、火星などの「惑星」は夜空をさまようように動きます。
5月初旬と比べると火星が大きく動いている様子を確かめることができました。
さらに今回火星が接近し、普段よりも大きく見えるため模様も観察することができました。
火星の大部分は鉄サビのような酸化鉄成分を含む砂に覆われ赤い大地が広がっていますが,黒い模様は玄武岩です。富士山やハワイの火山と同じ岩石で,地球上でもよく見られる岩石のひとつです。
以下の2つの画像は5月22日と31日に撮影したものです。
22日の画像に見える模様は左上「アキダリア平原」、右下「子午線地方」、左下「真珠の地方」と名前がついています。また,画像右下に見える白っぽい模様はドライアイスの塊です。
■撮影データ
観測日時:2016年5月22日22時09分
撮影場所:仙台市天文台
撮影機材:ひとみ望遠鏡 + ASI120MC-S
露出時間:600フレームをスタック、レベル調整
31日の画像に見える模様は左上「北方広域」、ハートに見える模様の左が「大シュルティス高原」、右が「テュレナ地方+ヘスペリア高原」です。また、ドライアイスの塊も見えています。
■撮影データ
観測日時:2016年5月31日22時11分
撮影場所:仙台市天文台
撮影機材:ひとみ望遠鏡 + ASI120MC-S
露出時間:300フレームをスタック、レベル調整
5月31日以降も20時頃に南東の空を見ると見つけることができます。
赤い火星を観察してみてはいかがでしょうか。