天文情報

天文Q&A

1.太陽の動きについて

Q1-1.天文Q&A.001 仙台の夏至と冬至の太陽の南中高度を教えて下さい。

Q.001
仙台の夏至と冬至の太陽の南中高度を教えて下さい。

A.001
太陽の南中高度(ちょうど真南に来るときの太陽の高さ)は季節によって違います。夏は高く、冬は低いです。それは地球の自転軸(地軸)が公転面に対して23.4°傾いているためです。
仙台の緯度を38度とすると、季節ごとの南中高度(h)は次の式で表すことができます。
<夏至> h=90-38+23.4=75.4(度)
<冬至> h=90-38-23.4=28.6(度)
<春分・秋分> h=90-38=52(度)

これらは毎年同じ高さになります。ぜひ季節の変化を楽しんでみてください。

2.月の満ち欠けについて

3.暦について

4.時刻・時間について

5.惑星や流星 人工衛星について

6.恒星や銀河 宇宙について

7.その他

Q7-1.天文Q&A.026 星食とは?

Q.026 星食とは?

月が太陽を隠す現象を「日食」というように、月が恒星を隠す現象を「星食」といいます。
月は約27.3日で地球の周りを回っているため、地球上から見ると星座の間をゆっくり移動していくように見えます。
その中でも月が明るい恒星を隠すときには、その恒星の名前を用いて「○○食」といいます。
(例)アルデバラン食、レグルス食・・・etc

 

seisyoku01.jpg▲図1 月が恒星を隠す様子(概念図)

 

月に恒星が隠れる瞬間を「潜入」、月から恒星が出てくる瞬間を「出現」といいます。
観察する場所によって潜入時間、出現時間が異なるため注意が必要です。

 

seisyoku02.jpg▲図2 緯度による見え方の変化(概念図)

Q7-2.天文Q&A.025 曜日はどうやって決まったの?

 

A.025

曜日の名前は太陽・月・惑星の名前に由来します。

 

・ 日=太陽、月=月

・ 火=火星、水=水星、木=木星、金=金星、土=土星

 

なぜこのように曜日と惑星が関係しているのでしょうか。

昔の人々は規則的な動きをする夜空の星々から時間や季節を読み取っていました。そんな星々の中で5つの星だけが星を追い越したり途中で引き返したりして不思議な動き方をしていることを発見しました。これらが惑う星「惑星」です。5つの惑星は肉眼で見ることのできる水星、金星、火星、木星、土星です。

わたしたちはこれらの惑星が太陽を中心にまわっていることを知っていますが、昔の人々は地球を中心に惑星や太陽、月が回っていると考えていました。地球から近い順に、月、水星、金星、太陽、火星、木星、土星と考えていました。

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そして太陽、月、5つの惑星が時間や空間を支配すると考えていたのです。また、月が新月から上弦、上弦から満月、満月から下弦、下弦から新月へと変わる間隔がそれぞれ7日間ぐらいだということも判明していました。このため人々は、この7日間をそれぞれ七つの星の神が支配していると考えたのです。これが「1週間」という考え方の基になりました。

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曜日の順番もこの考え方に沿って決められています。図のように1日目は最も遠いところを回る土星の神が支配する 「土星の日」で、1時間ごとに、土星、木星、火星、太陽......と遠い順に交代していきます。24時まで続けると、2日目は太陽から始まり、太陽が全体を支配する「太陽の日」になります。その後も同じように1時間で交代していくと、毎日の最初にくる惑星は「土日月火水木金」の順になるのです。ちなみに1日を24時間にすることは、黄道12星座に基づき、すでに決められていました。  

 

どの曜日を週の初めとみるかは、時代や地域によって違うようですが、このような考え方で1週間のそれぞれの曜日が決められました。

 

また火星(Mars)と火曜日(Tuesday)などの「曜日の名前」と「惑星の名前」の関係については以下のウェブページをご覧ください。

曜日の名前(国立天文台 暦計算室) 

参考資料:「暦と占いの科学」永田久(新潮選書)

Q7-3.天文Q&A.024 「火星接近」ってなに?

Q.024 「火星接近」ってなに?

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A.024

火星は約2年2ヶ月ごとに地球に接近するため、見やすくなる時期があります。

図のように、火星は太陽の周りを、地球の2倍ほどの約687日で1周しているため、約2年2ヵ月毎に地球が火星に近づくことになります。 また、地球の公転軌道が円に近いのに対して、火星の公転軌道は楕円形をしているため、最接近距離はその都度異なります。

火星の公転周期の中で火星が太陽に近いときに地球と接近することを「大接近」とよび、太陽から遠いときに地球と接近することを「小接近」とよびます。

地球と火星との距離によって、火星の見かけの明るさは大きく変化します。

次回の「大接近」は2018年です。