仙台市天文台について

台長からの2018年のご挨拶


移転して10年、「宇宙を身近に」そして「We♡(ラブ)宇宙」へ

 

 仙台市天文台(以後天文台)は1955年に仙台市青葉区西公園に開台しましたが、2008年に現在地青葉区錦ケ丘に移転し、今年7月1日には移転開館から満10年を迎えます。天文台は市民との協力で誕生した市民の天文台として皆さんに親しまれて、移転後も学校教育・社会教育・生涯学習施設として広く市民に活用していただいております。本年初頭に延べ入館者数が300万に達する見込みです。

 

 この10年を振り返ると、開館時の想定を超えた賑わい、3.11東日本大震災、市民の活動の広がり、地域の教育研究機関との連携協力、さらに天文台学習で学んだ児童生徒さんの成長など、市民の天文台としての成長を見ることができます。

 

 新天文台の開館にあたり、施設のミッション(果たすべき使命・役割)を分かりやすい言葉で表現しようと考え「宇宙を身近に」という言葉を掲げました。皆さんに宇宙を身近に感じていただけるような活動をしようという趣旨ですが、今後もこの「初心」を大切にしたいと考えています。宇宙が身近に感じられるようになる活動はいろいろありますが、私は宇宙の理解が深まって身近に感じられるようになることを願っています。

 

 このミッションを実現するために、天文台では3年ごとに中期目標を設定し活動の指針としています。先期は、皆さんに「We♡天文台」と言っていただけるような愛される天文台を目標としましたが、今期(昨年から)は、皆さんがさらに宇宙が好きになることを願って「We♡宇宙」という言葉で表現しました。

 

 天文台は、施設の長期計画の中で10年ごとに展示を更新することになっていますが、今年がその更新の年に当たります。これまで、利用者やスタッフサポーターの声、経験、さらに天文学の進歩などを考慮して更新のプランを練ってきました。新しい展示では、親しみやすく楽しい展示とともに、より広く深く宇宙に触れていただけるような展示を目指しています。展示更新にともなう工事が1月から3月にかけて行われ皆様にご迷惑をおかけしますが、4月には新しい展示室をご披露したいと考えています。この機会に、皆さんにも宇宙のイメージを更新していただき「We♡宇宙」と言っていただけることを願っています。

 

 今年も様々な天文現象がありますが、特に、1月31日の皆既月食と7月から8月にかけての火星大接近が注目されます。天文台では、定例の観望会とともに天文現象にあわせた観望会も計画しています。プラネタリウムや展示室で時空を超えた宇宙をお楽しみいただき、天体観望会ではひとみ望遠鏡を通して直接リアルな宇宙にふれていただきたいと思います。

 

 仙台市天文台台長
土佐誠 サイン

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