こうじとまことの交換日記vol.4

 第4回<前編>こうじ(詩人)→まこと(天文学者)へ

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まことさん、こんにちは。
ほんと、今年は暑い夏ですねー。
今月になって、何回「暑い」と言ったことか...。
この暑さ、いつまで続くのでしょう。
 

詩集『バンスイ、トウソン ヲ、イマ ヨム。』読んでいただき、ありがとうございます!!!
文学館のイベントで、ずっとリーディングしてきた作品をまとめることができて、とても嬉しいです。
晩翠と藤村、二人の大先輩に話しかけるように、作品をつくり、詠み、まとめていきました。
それは、どこか時空を越えた、作業だったと思っています。
この作品を未来の詩人が、新たな言葉(表現)で、更新してくれたら、と願っています。
 
 
さて、前回のお返事、楽しく読ませていただきました。
(<宇宙をポケットに入れて>...新しい詩が書けそうです☆)
 
やはり、宇宙人に会えるのは、SFの世界だけなんですね。
 
だけど、なぜか、まことさんの日記を読むと、宇宙人に対する興味が増してきます。
 
実は、ぼく、中学生の頃、UFOを見たことがあるんです!
 
絶対にあれは、飛行機とか人工衛星ではないはず...だけど、なにかはわからない...まさに未確認飛行物体でした!
 
それからというもの、テレビなどで、UFOや宇宙人の特集があると夢中になって見ました。
ほんと、「地球人は、なぜそれほど強く宇宙人に興味を持つのでしょう」。
 
そう言えば、最近って、あまりそういう番組がないような気がします...ぼくが見ていないだけかな。
 
以前、なにかのテレビで「パイロットやNASAの人は、よくUFOを目撃している」みたい特集がありました。
ならば、宇宙のスペシャリストのまことさんは、そういうことを、どう考えているか、興味があったのです。
 
 
未知の世界はどこまでも広く、果てしない。だけど、日常の近くにいろいろな魔法があるように。
<ぼくたち以外の宇宙に暮らしている人が、ちょっと地球に寄り道しているのではないか...>
空とか見て、ふと詩が浮かんでくる時、そんなことを、たまに考えてしまいます。
 
どんなUFOだったか、今度会った時にでも、詳しく話しますね(笑)。

(8月12日) 


 

第4回<後編>まこと(天文学者)→こうじ(詩人)へ


 

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こうじさん、「残暑お見舞い・・・」と申し上げたいところですが、まだ「暑」の真っ最中ですね。若い人でも、熱中症に要注意だそうです。

宇宙人・UFO、いろいろな物語が想像できて面白いですね。UFOを低音でゆっくり発音すると夏向きの話題に聞こえます。こうじさんもUFOを目撃したことがあるそうですが、今度、その話を詳しく聞かせてください。UFOバスターになって、その正体を追求してみたいと思います。

UFOは英語のUnidentified Flying Object の頭文字をとったもので、本来の意味は正体不明の未確認飛行物体、1950年代始めにアメリカ空軍が使い始めた言葉だそうです。正体不明の飛行物体が目撃されたとき、調査しても正体が分からなかった場合にUFOとされたそうです。国籍不明の航空機やミサイルなどもUFOになるので、冷戦の時代、空軍はUFOに大いに関心があったと思われます。

どんな飛行物体でも、十分に情報があれば正体が判明しますが、情報が少ないと正体不明のUFOになってしまいます。それがいつのまにか宇宙人の乗り物を表す言葉になってしまいました。しかし、もし宇宙人の乗り物と正体が分かったら、もうUFOではありませんよね。不思議ですね。

最近は、正体がすぐには分からないもの、特に夜間の見慣れない光が目撃されると、すぐにUFOになってしまうようです。埼玉県に住む私の母が「最近、決まった時間にUFOがたくさん見える」といって見せてくれたのは、近くの飛行場に着陸する航空機の着陸灯でした。明るい光がゆっくりと下降する様子は、見慣れない人にはUFOに見えます。正体を説明すると、「なるほど!」と合点したものの、少し失望したようでした。

UFOに対して、USOと言う言葉があるのですが、こうじさんは聞いたことありますか。これはUnidentified Submerged Objectの略、未確認潜水物体で、海や湖や川などの水中にある正体不明の物体を指す言葉です。UFOが水中にもぐったらUSOになりますね。カッパやネッシーなどもUSOにはいるかもしれません。ところで、ネス湖の水面から頭を出している有名なネッシーの写真は、実は人間が作った模型だったそうです。文字通り「uso」でした。

UFOのように見えるものはいろいろありますが、よく見られる楽しいものは夕焼けの西の空を低く飛ぶ飛行機雲、珍しいものでは円盤の形をしたつるし雲・レンズ雲があります。空や雲を観察していると、とても自然のものとは思えないような面白い形に出会うことがあります。ほんとうに「雲は天才」ですね。こうじさんは面白い形の雲を見たことがありますか。

そんな風景を見ながらいろいろなことを想像するのが好きですが、やはり、宇宙人やUFOは、恣意的な目撃談や捏造された写真などより、SFやファンタジーの中で、自由にのびのびと活躍してもらうほうがいいと思います。

日頃、空を見慣れているとUFOに出会うことは少ないようですが、そうでない人にとっては、少し珍しい自然現象がUFOに見えてしまうようです。やはり、UFOは人の心を写す鏡でしょうか。

今日はここまでにします。UFOを目撃したら教えてください。

(8月26日)


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