仙台市天文台
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漁り火の中の金星とさそり座

漁り火の中の金星とさそり座

 1月16日から私用で北海道に行く機会がありました。飛行機で行くことも考えたのですが、青函トンネル開通20周年と言うことで、是非世界一のトンネルを通ってみたいと言うことになりました。仙台から新幹線はやて9号で八戸へ。そこからスーパー白鳥9号に乗り換えて北海道を目指しました。初体験の青函トンネル、ワクワクしながらトンネル内へ。30数分間の体験でしたが、あっという間の出来事でした。そのとき、車内の天井を見上げながら「海底下100m」のところを走行しているなんて、とても信じることは出来ませんでした。  
 今回の目的地である上磯郡木古内町は津軽海峡に面した小さな町です。光害も少なそうですから、晴れればすばらしい星空が見られそうです。暖かい列車から降りてビックリ、あまりの寒さで身震いしてしまいました。そして、天候のほうも思わしくなく断続的な降雪状態です。夜になっても天候は回復しませんでしたので明け方の空に期待しました。
翌日早朝、旅館の二重窓を開けてみてビックリ。快晴です! 津軽海峡上には金星が見えています。さそり座も。海峡の遠方に転々と明かりが見えています。「あぁー、あれが対岸の青森の明かりか」なんて思ったのが間違いでした。(上の写真)地元の人に聞きましたら「漁り火です!」とのこと。あまりにも明るかったので対岸の強烈な明かりと勘違いしてしまいました。そういえば八戸の星仲間に「漁り火のあるときには天体写真は撮影出来ない」と聞いたことがあります。そして、下の写真は薄明が進んだ状態で撮影してみました。津軽海峡を目の前にして、きれいな光景を見ることが出来ました。そして、今朝(19日)の6時頃、金星の左下から木星が上ってきたのを確認することが出来ました。

解説 : 小石川

 

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