仙台市天文台
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接近中の火星


 12月後半は大変忙しい時を送っていました。天文台すべての業務を8日に終え、有志の方々に集まっていただき「天文台お別れ会」を開催しました。それからが大変、本格的に台内後片付けが始まりました。実にいろいろなものが出てきます。1957年頃の電報までも出てきました。内容は、東京天文台から人工衛星の観測依頼のものでした。思い出のいっぱい詰まった古い観測機材も出てきました。なるべく保存しようと考え、キレイなものは新天文台の資料庫に保管することとなりました。
 さて、12月といえば火星接近中です。後片付けでヘトヘトなって帰宅するのですが、東天の火星を見るとついつい愛機を向けてしまいます。しかし、見る火星像は毎回ボケボケの状態、観測を強行して画像処理してもおおまかな模様がわかる程度。そんな日が長く続きました。26日の夕食後、星の瞬きは少なめです。もしやと思い愛機を火星に向けました。多少の細かなユレはありますが、表面模様が良く見えます。早速、観測機材をセットして撮像開始。モニター画面上でも模様が良くわかります。早速画像処理を行い、表面模様のチェック。観測開始頃から中ごろまでは気流がよく、今シーズン最良の火星像をキャッチ(上段の2枚の写真参照)出来ました。自転の様子もわかりますね。火星観測の合間にホームズ彗星やタットル彗星の撮影を行いながら、27日の1時過ぎまで撮影を行いました。指先が痛くなってきます。何気なく観測机においてある温度計を見てビックリ、氷点下4℃以下まで下がっていたのでした。
 ちょっとの期間、ホームページ画像を更新できませんでした。天文台事務室を仙台市科学館に移動する作業があったからです。来年3月いっぱいまで科学館で仕事を行い、その後は新天文台へとバトンタッチします。それまでの間、どれだけの天体現象をご紹介できるかわかりませんが、精一杯最後の仕事を行っていきたいと考えています。今年1年間ありがとうございました。そして良いお年を!

解説 : 小石川

 

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