台長コラム ときどき土佐日記

kojimako3.jpg  土曜日のスペシャルプラネタリウム第1部にてPoetry Readingを開催している詩人・武田こうじさんと、天文台台長・土佐誠が交換日記をはじめます。

天文に関しての素朴な疑問を月に1回武田さんから台長に投げかけ、それに対して台長が回答をします。また、武田さんがその回答からインスピレーションを受けて作詩をしたり、さらに生じた問いかけを交換日記の形式で綴っていきます。月の前半に武田さん、後半に台長が更新する予定です。

ロマンチスト同士の初めてのウェブ上公開交換日記。一体どんな展開になるか乞うご期待!!


第1回 <前編> こうじ(詩人)→まこと(天文学者)へ

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 えっと。いざ、こうして書き始めてみると、なにから書いていいのか、とても悩みます。交換日記、書いたことあったかな...?中学生の時とか、好きな女の子とドキドキしながら、ノートをこっそり学校で渡したりした、な...。もちろん、その時は、それが大事件で、てゆうか、好きな子ができるだけで、すごいことになって、ちょっと会話しただけで、それこそ、宇宙の果てまで飛んでいく、みたいな感じだったなぁ(笑)。いつの間にか、時間は過ぎて、当たり前のように、いろんなことが終わって、変わっていきました。
 
 昔から、ぼくは<永遠>とか<儚さ>とかそんな言葉にとても惹かれていて(意味はよくわかっていなかったのですが)、いろんなものごとを、とても大きなものの中に捉えるのが好きでした。そうなってくると<宇宙>って言葉の意味と、響きにとても憧れるのと同時に「ほとんどのことが自分にはわかることはできないんだ」と思ったりして、その、なんてゆうか、存在の大きさというか、小ささというか、そんなことを考えては、ドキドキしたり、不安になったりしていました。
 
 新しく開館してから、天文台でお仕事をさせてもらって、<宇宙>をテーマに詩を書いて、<12星座>をテーマに詩を書きましたが、プラネタリウムに通っていると、改めて<宇宙>の神秘にヤラレます。時間って、なんだろう...?って思います。だって、プラネタリウムではすぐに「何億光年」とか「若くても1億歳」とかって話になるから...!なので、こんなこと書くと、いきなりなんですが、あえて直球で今回は行きたいと思います。<宇宙>ってなんなんでしょう?簡単な言葉では、難しいと思いますが、改めて<宇宙>に筆を振ってみたいと思っています。なので、なにかきっかけになる言葉をいただけたらと思います。よろしくお願いします☆  (5月2日)

 

 第1回 <後編> まこと(天文学者)→こうじ(詩人)へ

 

makotokao.jpg 武田こうじさんから初めての日記が届きました。ドキドキワクワクしながら日記を開いてビックリ、大きなクエスチョンが!

 「<宇宙>ってなんなんでしょう?」

 これは「何なんだい?」じゃなくて「難題!」。いきなりの重い剛速球、武田さん肩(筆?)を痛めますよ!

 こんな球は見逃すに限るのですが、実はツーストライク・スリーボールのような状況で始まったこの企画、見逃しは許されません。とにかくバット(筆!)に当ててファウルにでも・・・。

 すぐに言葉が出てこないので、とりあえず「宇宙」という言葉を辞書で引いてみました。中国に語源があり「空間・時間の広がり」を表す言葉のようです。現在はいくつかの意味に使われていますが、和英辞典を引くと「universe(ユニバース)」、「cosmos(コスモス)」、「space(スペース)」などとあります。さらに、英和辞典を引くと、その意味は・・・。それぞれ由緒と歴史のある言葉のようです。辞書を引くといろいろ面白い発見があります。天文台の台長室には何冊か辞書があるのですが、私にとってもう一つの「宇宙」のようです。(ちょっとかすったかな?)

 天文学的には、簡単な言葉で答えようとすると、「宇宙は、時間・空間・物質・エネルギーなどの全てを含む全体」という何だか分からない答えになってしまいます。

 そして、天文学の目標は(天文学者がよく使う言葉で言うと)「宇宙の構造と進化の解明」。これは、宇宙には極微の原子から星や巨大な銀河など様々な構造がありますが、これらの仕組みやつながりを明らかにし、さらに、このような構造がどのように形成されたか、その起源と歴史を解明すること。

 なんか、型にはまってしまったような気がしますが、これでは武田さんの期待する答えにはなっていないかも。武田さんの球筋を私なりに読み解くと、質問の真意は「ボクの宇宙のイメージは何か」ということかな? 武田さんの返事を待って、続きを綴りたいと思います。
 
(ちょっと筆をおきます!) (5月14日)