台長コラム ときどき土佐日記

 いつの間にか木の葉が落ちて風に舞い、霜が降りて吐く息が白く見え、遠くの山々が真っ白になり、天文台のある錦ケ丘にも雪が降りました。天文台のオープンスペースには大きなクリスマスツリーが飾られ、鬼が笑うような話題がちらほら。

 この間「こころの日記帳」にいろいろ書き綴ったのですが、「ときどきT日記」に書き写すのを忘れておりました。そろそろ忘年会、忘れないうちに・・・。

 10月25日(土)・26日(日)に日本SF作家クラブの皆さんが仙台市天文台を訪問されました。25日の夜は、私担当のトワイライトサロンで「私のSF体験」をお話し、皆さんと楽しくSFについて語りあいました。26日には、天文台の加藤・小坂ホールで瀬名秀明さん、平谷美樹さん、鹿野 司さんに私を加えてトークショーが開かれ、多くの方の参加を得て楽しいひと時を過ごしました。

  トークショーは、瀬名さんの司会で、推薦する図書を話題にしながらトークが展開しました。そのときの様子がただ今発売中の「SFマガジン」2009年1月号に掲載されています。トークショーの一問一答が詳しく記録されておりますので是非ご覧いただきたいと思います。ここには、その時・その後に考えたことを記します。

 私のSFとの出会いは幼少の頃にもどります。小学校に入学して理科が好きになり、科学というとなんでも興味を持つようになりました。当時は空想科学小説と言いましたが、SF映画や絵本を見てわくわくしたものです。その頃はS(Science、科学)とSF(Science Fiction)の区別ができなかったようですが、SFを通じて科学に対する興味を深め、科学的思考法(?)を学んだ気がします。

 その後、科学を本格的に勉強するようになって、SとSFの区別がつくようになり、Sだけで十分面白くなってきました。「事実は小説より奇なり」をもじって言えば、「SはSFより奇なり」ということでしょうか。そして、Sの「偏見」が強くなり、SFの不自然さが気になってあまりSFを楽しめなくなった時期がありました。

 しかし、少し(成長して?)大人になりSFを娯楽として楽しめるようになりました。子供が小さい頃には子供と一緒に、「2001年宇宙の旅」、「未知との遭遇」、「ET」、「ジュラッシク・パーク」、「ロスト・ワールド」など様々なSF映画を楽しみました。特に、CGなどを駆使した映像の面白さを大いに楽しみました。ただ、中にはホラー映画のように恐怖心を強くあおるものもあり、私には「空想科学」の楽しみが失われるようで残念でした。

 SF映画は何度も見直したいもので、映画館で見た後にLD(レーザーディスク)を購入しました。今となっては、LDプレーヤーも壊れ、直径30cmの大きなディスクを持て余していましたが、今回その一部を展示紹介したところ、SF作家クラブの方々にも懐かしく興味を持っていただきうれしく思いました。

 

 SFには奇想天外なことや常識を超えた(非常識な?)物語が展開されます。SF作家というのはどんな方か、お会いするまでは期待と不安、興味しんしんというところでしたが、実際にお会いしてみると、どなたも穏やかでノーマルな方ばかりで(失礼!)楽しくお話ができました。そして、SFを真摯に追求する情熱と真面目さに感銘を受け、あらためてSFを見直そうと思いました。

 SFトークショーで私が推薦した図書は、H.G.ウェルズ『タイム・マシン』(1896)、同『宇宙戦争』(1898)、C.ドイル『失われた世界』(1912)、メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』(1818年)の4冊でした。

 今考えるともう一冊、SFと認めていただけるかどうか分かりませんが、ジョナサン・スイフト『ガリバー旅行記』(1726年)を追加したいと思います。

 どれもSFの古典で、現在のSFのルーツとなっている作品です。最初映画や漫画で読み、その後で原作を読んだような気がします。奇想天外な物語ですが、物語の展開が自然でリアリティを感じました。このトークショーがあるということで読み直してみましたが、今でも新鮮に感じ、わくわくしながら楽しく読みました。

 少し長くなりました。これらの本については次回に。(つづく)

 

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▲トワイライトサロンのようす
 

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▲トークショーのようす
 左から瀬名さん、平谷さん、鹿野さん、私