ペルセウス座流星群

 過去のことばかり書いたので(「ばかり」というほどの回数ではありませんが・・・)、今日は近未来のことを少し。

 

 夏がくれば思い出すことがたくさんありますが、天文のことでは織姫・彦星・七夕の星、さそり座・いて座の天の川、そしてペルセウス座流星群など。

 

 今年のペルセウス座流星群は8月12日から13日にかけて出現のピークがあるそうです。そこで、次の土曜日(8月9日)のトワイライトサロンでは流星・流れ星についてお話をしようと思います。

 

 流星は、高速で地球に飛び込んだ宇宙の微粒子・塵(流星物質)が、大気との摩擦で高温になり発光する現象です。流星が輝くのは約100kmの上空ですが、流星物質は彗星が軌道上に残したもの。彗星の故郷は太陽系の果てにあり、オールト雲と呼ばれています。つまり、流星は太陽系の果てから届いた便り。現代の天文学は、この「便り」を解読して、太陽系の起源を解明する手がかりを得ようとしています。

 

 天文学は「天の文様・現象を読み解く」という意味があるそうですが、流星の正体がまだ知られていなかった時代には、どのように読み解いたのでしょうか?

 

 流星にはさまざまな伝説や言い伝えがありますが、願い事をかなえてくれるものであったり、人の死の徴であったり、人間の願望や不安が読み取れます。

 

 ペルセウス座流星群は夏の夜の風物詩ですが、流星は秋の季語だそうです。流星は俳句にもたくさん詠まれていますが、「星はすばる」でおなじみの清少納言の『枕草子』にも流れ星が登場します。「星はすばる。」の後、「ひこぼし。ゆふづつ。よばひぼしすこしをかし。尾だになからましかば、まいて。」と続きます。

 

 注釈によると、「よばひぼし」とは流れ星のこと。「流れ星もちょっと面白い。でも尾がなければもっといいのに。」という意味でしょうか。「尾がなければ」というのが気になります。「尻尾を捕まれないように」ということでしょうか。蛇足ですが「ゆふづつ」は金星のこと。

 

 ところで、もうひとつ気になることが。なぜ「おりひめ」ではなくて「ひこぼし」なのでしょうか。おりひめ(ヴェガ)の方がずっと目立つのに。作者が女性だから(?)、それとも紫式部を意識したのでしょうか。そういえば、今年は源氏物語千年紀。意味深長というか、天にも地にも読み解くべきものがたくさんあるようです。

 

 いずれにしても、清少納言はおおらかに星や自然を楽しんでいたように感じられます。私も。8月12日の夜は晴れますように。