仙台市天文台
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もうすぐ衝になる土星

もうすぐ衝になる土星

 早いもので、2月も中旬となってしまいました。あるところから依頼された変光星アルゴルの撮影をしていたときのことです。アルゴル極小期の撮影を終了し、何かおもしろそうな撮影天体がないかなと空を眺めていたら、東の空の土星に目が止まりました。 「そうか、まもなく土星が衝となるなぁー、そろそろ、観測を開始しないと・・・」 ところが、愛機を向けるたびにボケボケの土星像にばかり出会っていました。
  20日の未明、いつものように午前0時頃に目が覚めて外を見ると良く晴れています。星の瞬きも少ないようですから、きっときれいな土星を見ることができると思い、観測準備にかかりました。外気温は氷点下4度近くを示しています。案の定、気流もまずまずの状態、早速撮像開始。それを画像処理したのが上の写真です。そして、22日未明も観測できました。星の瞬きからみると20日よりちょっとひどかったのですが、天頂近くでの観測が良かったのでしょう。380倍で見ても良く見えています。画像処理したのが下の写真で、環の中のカッシニの空隙も良く映っていますし、B環内側が薄暗くなっている様子も確認できますね。さらに、B環より内側のC環も捉えることが出来ました。本体の模様は、相変わらず北半球(下)が薄暗くなっています。その中に見えている縞模様は北赤道縞(NEB)です。南半球(上)は明るく見えており、一番濃い模様は南赤道縞(SEB)です。さらに、その上のほうには淡いながらも南温帯縞(STB)も確認できました。
 惑星観測は気流状態が肝心です。「気流状態が良いときに細部まで観測してみたい」さらに、1.3m大型望遠鏡が完成したら、利用者の皆さん方にも「土星のきれいさを堪能してもらいたい」と言うのが今の私の夢です。
 

解説 : 小石川

     
 

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