仙台市天文台
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最近の土星

最近の土星 080203


 さあ、天界のピエロとも言われている土星が観望の好期を迎えました。
 今月の25日に春のしし座の中で衝を迎えます。衝とは、太陽・地球・土星が一直線に並ぶ状態をいいます。日没とともに東の空から昇ってきて、明け方西の地平線へと沈んでいきます。一晩中見えますから「観望の好期」となるのです。環の直径は45秒程度で本体直径は10秒程度となります。本体が意外に小さいことがわかるでしょう。そんなことで表面模様を詳しく見ようと思っても大きな望遠鏡が必要になります。まもなくオープンする新天文台の1.3m大型反射望遠鏡は、きっと土星観察に威力を発揮することでしょう。
 1月に入って何度となく望遠鏡を向けてきましたが、冬特有の悪気流に阻まれて満足な観測は出来ませんでした。2月3日01時過ぎにいつものように目が覚め、寝室の窓から見る南の空におとめ座のスピカが見えました。その瞬きも少ないようです。連日の徹夜状態で体の疲労はピークに達していたのですが、思い切って観測準備に取り掛かりました。愛用の防寒着に身を包み望遠鏡をセットしてある庭へ。カバーには霜が付着して真っ白です。温度計を見てビックリ、マイナス4℃を示していました。吸う空気が冷たいはずです。31cm望遠鏡に同架してあるファインダーにて土星を導入。昨年手に入れた旧東ドイツ時代のツァイス製オルソ10mmにて気流の確認。次にオルソ5mmを使用して380倍の高倍率に。多少気流が悪いかなと思いつつも、本体上の縞模様2本と環の中のカッシニの空隙を確認しました。撮像カメラに切り替えて画像取得開始しました。そして画像処理した土星を見てください。大きな変化はありません。それでも北半球が薄暗いことがわかりますね。今シーズンの特長となっています。
 皆さんにきれいな土星の姿をじっくりと見ていただきたいのですが、残念ながら天文台は閉鎖されてしまいました。7月にオープンする新天文台に期待してください。
 

解説 : 小石川

     
 

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