2025年3月24日と5月7日に、2009年9月4日以来約15年ぶりに、土星の環(わ)がほとんど見えなくなる「環の消失」と呼ばれる現象が起こります。
今年2回起こる環の消失は、それぞれ起こる理由が異なります。
地球や土星は、公転軌道面に対して自転軸を傾けた状態で太陽の周りを公転しており、2025年3月24日には、土星の環が地球に対して真横を向くような位置関係となります。
土星の環は土星本体と比べて厚さが100m程度と非常に薄いため、このとき地球から見ると、まるで土星の環が消失したかのように見えるのです。
また、2025年5月7日には、土星の環が太陽に対して真横を向くような位置関係となります。
すると、環に太陽の光が当たらなくなるため、土星の環がほとんど見えなくなってしまいます。
土星の環の傾きについての詳しい説明はこちら:天文Q&A.Q3-3 土星の環は、いつも同じように見える?
ただし、土星の環の消失が起こる3月24日と5月7日は、土星は昼間の空にあるため観察することができません。
土星の見ごろは11月頃です。この時には再び土星の環が地球に対して真横を向くような位置に近づくため、細い状態の環を見ることができます。