月食とは、太陽・地球・月がこの順番で一直線に並び、月が地球の影に入り込むことで欠けて見える現象です。満月の状態から徐々に欠けていき、数時間ほどで再び元の姿に戻ります。
月が地球の影に入るのは年に2回ほどで、その時に月が昇っている地域であれば観察できます。
日食とは異なり、観察場所によって月の欠け方が変わることはありません。
なお、地球の影には濃い部分「本影」と薄い部分「半影」があり、月が地球の影のどの部分に入るかによって月食の名称が異なります。月が本影にすべて入ると「皆既月食」になります。月の一部分だけが地球の影に入ると「部分月食」です。また、月が半影だけを通過していくものは「半影月食」と呼びます。
▲皆既月食の見え方
▲部分月食の見え方
▲半影月食の見え方
(満月よりもやや暗く見えますが、肉眼では分かりにくいかもしれません)
皆既月食の間を含め、その前後の月は、欠けた部分が全く見えなくなるのではなく、少し赤みがかったような色で暗く見えます。
これは、太陽の光の一部が月に当たるためです。太陽の光が地球の大気を長く通過するときに、青い光は散乱され、赤い光だけが通り抜けます。その通過した赤い光が影の中に入り込んで月を照らします。
▲太陽の光が地球の大気を長く通過するとき、赤い光だけが通り抜ける
▲通り抜けた赤い光が地球の大気で屈折し地球の影の中の月にあたる
空気中に塵などが多いときには、大気を通り抜ける光の量が少なくなり、赤黒いような月になる場合があります。
月食ごとに異なる皆既食中の月の色にも注目してみましょう。
▼皆既月食ごとの色の違い