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天文台職員の彗星撮影の旅
天文台S職員は数日前から
市民のみなさんのために、話題になっている彗星の写真を
いち早く紹介したいという熱意を持って
宮城県の海岸周辺を予備調査していました。
その努力が実って撮影に成功しました。
4月24日夜9時
仙台は雨が降っていました。
S職員は仕事の関係から
今日を逃すと、いつ撮影できるかわからないと考え
雨の中、道具を自動車に積み込みました。
2時間半かけて目的地へ向かいました。
雨はやみそうにありません。
ところがS職員の熱意が天に通じたのか
日付の変わった25日2時になって
雨が小降りになってきたのです。
S職員の心の中では、
まず自分の眼で見るべきかという気持ちと
市民のみなさんのために写真を撮るべきかという気持ちとが
戦っていました。
S職員は深く息を吸い込んで決断しました。
S職員は後者を選んだのです。
気持ちを決めたS職員は
限られた時間をフルに活用して
一心不乱に雲の晴れ間をねらって
シャッターを押し続けました。
彗星の見えている辺りが雲に隠されてしまったりして
決して条件は良くはありませんでした。
薄明までの1時間がんばりました。
その成果が次の3枚の写真です。
■共通データ ○日 時 2004年4月25日 ○撮影場所 河北町(長面海水浴場) ○機 材 ・FUJI FinePix S2 Pro 感度1600 |
1 ブラッドフィールド彗星 35mmレンズ使用 F2開放 3:25撮影 露出10s
本人曰く「撮影する1時間前までは、雨模様でした。本当はイプシロン160を出したかったのですが、セッティングが間に合わないのではないかと心配になり、EM1のみを使用しました。」とのことです。 |
2 ブラッドフィールド彗星 100mmレンズ使用 F2.8開放 3:29撮影 露出15s
本人曰く「ブラッドフィールド彗星は、 7×50の双眼鏡で、3.5度角程度の尾が確認できました。雲がなかったらもう少し長いのが確認できたかもしれません。肉眼では、確認する余裕がありませんでした。」とのことです。 |
3 リニア彗星 35mmレンズ使用 F2開放 3:27撮影 露出10s
本人曰く「雲が流れていたので、リニア彗星はじっくり確認する余裕がありませんでした。肉眼でも双眼鏡でも確認できませんでした。彗星の位置予報をたよりに、雲の間をねらってシャッターを押し続けました。家に戻ってからパソコンの画面上で予報通りの位置に姿を現していた彗星の姿を確認できました。2つの彗星をとらえることができて、ようやくほっとできました。 |
その頃、K職員は
市民のみなさまに彗星の美しい姿を紹介すべく
同様の熱意をもって
仙台市西方の山沿いに雨の中
向かっていました。
写真撮影のベテランであるK職員は
一生懸命準備をして
いざ彗星が出現するであろう時刻が来るのを
期待を込めて待っていました。
ところが
その熱意は天に通じず、
雨がやむどころか
雪が降り出してきたのです。
K職員は、一瞬がっくりと肩を落としましたが
「こんな日もあるさ。」「明日こそ。」と
気持ちを切り替えて
帰り支度を始めたそうです。
このように天文台職員は日夜
がんばっています。
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