仙台発ラップグループ GAGLEインタビュー!!


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9/16にニューアルバム「Slow But Steady」を発売したばかりのヒップホップ・ユニットGAGLE(ガグル)。DJ MITSU THE BEATS(ビートメーカー兼サイドMC)、HUNGER(MC)、DJ Mu-R(DJ)の三人からなるGAGLEは、仙台を拠点に音楽活動を続けながら、国内外問わずに活躍の場を広げています。
 
今回ニューアルバムに収録されている新曲のプロモーションビデオ撮影のために天文台にいらしたメンバーの皆さんに、撮影秘話、天文台との意外な繋がりなどなど、興味深いお話をたくさん語って頂きました。
 
―PV撮影お疲れ様でした。2日間早朝からの撮影はいかがでしたか?

HUNGER(以下H)「楽しかったですよ。PVって朝早くから撮ることが多いんでそんなに大変ではなかったです。外(惑星広場)中(展示室)の二か所で撮らせてもらったんですけど、建物がすごいおもしろい造りなので、ビデオにするとまた“活きる”っていうか、現実的じゃない雰囲気になって良かったです。特に展示室の(入口付近にある)地球儀で撮った映像がイイね」。
  gagle-7.jpg―歌詞の中に宇宙や地球をイメージしたものが入っているのですか?

H「アルバムの中の『Doo ya Thing!』と『Round’nRound』ていう2曲をドッキングさせたビデオなんですけど、2曲目のほうにその地球儀を使わせてもらったんです。地球そのものをイメージした曲っていうよりは、“飛び回る”“地球をグルグル回っている”っていうイメージを(監督が)連想したんじゃないでしょうか」。

DJ Mu-R(以下Mu)「今作のリリックには少ないけど、GAGLEのこれまでの曲にはけっこうそういう言葉は多いですよ」。

H「あと兄貴(DJ MITSU THE BEATSさんはHUNGERさんのお兄さん)、土星まわしてたよね。顔が映ってないけど若干ニヤっとしてる嬉しそうな感じが出てるよね」。

DJ MITSU THE BEATS(以下M)「あれは良い雰囲気になったね。1分くらいなんだけど」。
 
―そもそも今回はなぜ天文台を撮影場所に選ばれたのですか?

M「もともとはPVの監督が絶対天文台で撮りたい! って強く言ってて。宇宙を模している外観(惑星広場)をすごく気に入っていたようです」。
 
gagle-6.jpg―ありがとうございます。実際メンバーの皆様もプライベートで天文台には何度かいらしているとお伺いしたのですが…。

H「僕は一度来た時に、大型望遠鏡でちょうど昼間の金星が見えるっていう日で、説明してくれる人がものすごい楽しそうに、魅力いっぱいに語ってくれたんで、とっても楽しかったですね」。

M「実は僕は3日前に錦ケ丘に引っ越してきたばっかりで…」。
 
―じゃあ天文台と同じ町内会なんですね(笑)

M「そうですね(笑)。そろそろ年間パスポートを作ろうかな、と思ってたところなんですよ(笑)」。
 
―DJ Mu-Rさんは?
  gagle-11.jpg Mu「いやぁ、実は僕は今回がはじめてで、西公園の頃は学校の校外学習っていうんですかね、それで何回か行ったんですけど」。
 
―今も平日の午前中は仙台市内を中心とした幼稚園・小中学校の学習投映をしているんですよ。

H「うらやましい。。。こんな綺麗な施設で勉強できるなんて。子供に星を見せるのは絶対良いと思います」。
 
―では皆様天文そのものに興味はおありなのですか?

M「メンバー内では僕が一番ですね。普通に科学の本とか父が好きで、ホーキングの本なんかが家にあったんですよ。おもしろいですよね、ブラックホールとか宇宙とか大好きで、大学でも“宇宙科学”みたいな授業は真面目に出てました。自分でも『ニュートン』買って読んだりしてるけど、毎月1000円は高いな、と思ってて…」。
 
―この天文ライブラリーには毎月新刊が置いていますので、ぜひいつでもお越しください。ご近所さんですからね(笑)。
 
M「本当、音楽やめたらこういうところで働きたいくらいで(笑)」。

H「僕も兄貴ほど(天文に対して)ハードコアには攻めてないんですけど(笑)、展示室(の天文学の歴史エリア)にある“昔の人がイメージしてた宇宙観”の模型がすごくおもしろくて、絶対そうだな、と思いました。インド人の思想(※)なんて最高だよね。ホント、普通に生活してたら地球が回ってるなんて絶対思わないしね」。
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M「確かにあの模型はおもしろいよねえ」。
 
―あれはぜひ商品化して売りたいんですよねぇ…。

H「あれは売れるでしょうね~」。
 
―いやあ、でもかなり資金面で難しい問題が…(笑)。ところでニューアルバムの聴きどころを教えていただけますか?
 
H「天文好きの方々にオススメできるポイントとしては…兄貴の曲はけっこう“スペイシー”ってことかな」。

M「ヒップホップでは“ふわふわしてる”“未来的”“宇宙観のある”“キラキラしてる”そんな曲を総称して“スペイシーなトラック”って呼んだりするんですけど、僕の曲もけっこうスペイシーって形容されることが多くて」。

Mu「今回の『Round’nRound』もわりとそういう感じで、宇宙好きな方にオススメですね」。

H「建物のデザインとかもそうだけど、この天文台って全体的にすごいスタイリッシュじゃないですか。そういうことに敏感な人、デザインが好きな人は興味を持ってくれるんじゃないかな。いわゆるヒップホップの世間一般のイメージで言う“Yo!”って感じではないので。僕達もなるべくスタイリッシュにシンプルに音楽をやっているところがあるので、共通点は一見ないようで、ちゃんとあると思います。そんな気がします」。
  M「テレビなんかで日本語のラップを目にすることが多いと思うんだけど、色々イメージとして怖かったりすると思うんですよ。でもGAGLEはそういうものとはまた別の物として聴いてもらえるんじゃないかな。ヒップホップが好きな人はもちろん大前提で、それ以外の人にも聞いてもらえる、聴きやすさのあるアルバムだと思います」。
 
―なるほど。ところで唐突ですが天文台へのリクエストってありますか?
 
 H「うーん…すごい勝手な妄想なんですけど、無重力体験や宇宙服を着る体験をしてみたいです」。

M「たしかに宇宙服は着てみたい!前北京の空港に行った時に、“ただいま開発中”みたいな未来の宇宙服の展示があって、すんごい軽く普通の服みたいなんですよ。すごいよねえ」。

H「あと、…やっぱり商品開発?(笑)」

M「あの模型のミニチュア、ズラーっと並べたいね」。
 
―…あのぉ、(ガグル×天文台の)ダブルネームなんていかがですか?
 
M「…資金面だ(笑)!!」
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H「たとえばオルゴールみたいな構造にして…」。
 
―パカッとあけるとGAGLEさんの音楽が流れるとか…?
 
全員「(爆笑)」

H「あるもんですね。話してみるとアイデアって(笑)」
 
―では最後にメッセージをお願いします。
 
全員「今回僕たちもPV撮影で使わせてもらった縁で天文台さんと繋がりができて、こういうのって同じ仙台ならではだなって感じたんですよね。僕たちが普通に天文台に遊びに来てて、まさか音楽でこういう風に繋がれるなんて思ってなかったし、いろんな可能性があるなあって。だからみんなもぜひ仙台にいるんだったら“いる”っていうだけですごい共通点だから、自分たちのジャンルだけにとらわれずに、いろんな業種の人と仲良くして大きな輪にしていってほしいです」。

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※「古代インド人の宇宙観」…ヘビ、亀、ゾウが地球を支えているという思想を模型にしたもの。本物はぜひ展示室でご覧ください。

▼天文台がまるでどこかのクラブに変身したかのようなかっこいいPVはこちら!




 こぼれ話)天文台発行のフリーペーパー「ソラリスト夏号」のドーナツの表紙に気づいたメンバーさん達…。

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M「7インチのレコードは基本一番小さいメディアで“ドーナツ盤”って呼ばれてるんですよ」。

Mu「僕たちもドーナツ盤を使いまくってるんで。よくドーナツをジャケットで使ったりね」。

H「おお!天文台とGAGLEのすごい繋がりが発見できましたね!(笑)」
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DJ MITSU THE BEATSさんによる、ドーナツ盤を土星に見立てた素敵なイラスト入りサイン色紙も天文台に展示しています。

ファンの方も、このインタビューでGAGLEさんに興味を持たれた方も、ぜひチェックしにいらしてください!

         
                                                                     広報/菅野