ワンコインプラネ スタート記念インタビュー(1)

 

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2月22日(日)からはじまるワンコインプラネタリウム。記念すべき第1弾は、仙台で活躍する詩人・武田こうじさんのポエトリーリーディングです。詩人になったいきさつやイベントへの意気込みなどを連載でお届けします。

-初めて詩を書いたのは何歳の時ですか?
「15歳くらいだったと思います。詩に出会ったのは、中学生です。たしか図書室で何かの詩集を読んだのがきっかけです。中原中也の詩も載っていて、すごく印象に残ったんです。これはなんだろうって感じで」。

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-では今のリーディングスタイルをとるようになったのはいつからですか?
「それは本当に12、3年前、詩人になってからです。詩人としてやってこう、と思った時がリーティングのスタートでもありました。詩集を読んで、自分で書いてみたりというのは学生時代からしていました。今でいうブログをつけるような感じだったと思います。当時は、日記を書いているとか、あまり人に言えない時代でしたよね。また、高校生の時は、バンドを組んでいたのでバンドの曲で、詩を書いたりとか、大学生の時は、映画を観るのが好きだったので映画のシナリオを書いてみたり...。多感な時期だったので音楽を聴いたり、映画を観たり、本を読んだり、いろいろなことに興味があったんですね。でもやっぱり根底には詩があったんです。そんな時に、アメリカでポエトリーリーティングに出会って...存在は知っていたけど、実際目の当たりにしたのは初めてで、こういうエンターテインメント、コミニケーションがあるんだ!ってちょっとびっくりしましたね。ただ、アメリカのリーディングはヒップホップのような直接的な表現が多いんですね。なので、僕は日本語の曖昧さや叙情性を活かしたリーディングをしたいと思いました。それは、僕のスタートラインであり、永遠の課題でもあります」。

-その当時日本でのポエトリーリーディング事情はいかがでしたか?
「やはり僕みたいなことを考えている人と、東京のイベントに行くと出会えましたね。97年~99年頃は積極的に東京のイベントに参加していました。アメリカではお酒も飲めるカフェで、リーディングが盛んに行われてたんですが、日本では今みたいにカフェもなかなかなくて、自分の表現をする以前に、ライブやイベントができる場所を探すことが大変でした」。

kojikao2.jpg-詩人になって12年目とのことですが、詩人としてやっていこう、と思ったきっかけは?
「詩人になる前に中学校の英語の教師をしていました。教師ってすごい魅力的な仕事で、僕自身教わったことが本当に多かったんです。大人になっていくにつれて、当たり前になってしまうことが、中学生たちには、とても大切なことだったり...。とにかく、毎日のエネルギーがすごい(笑)ので、『詩を書いているなら、読んでもらおう。聞いてもらおう。』というストレートな情熱を、その時に教わりました。初めて個展を開催した時も、教え子達が宣伝してくれてたりして...。みんな、今でも応援してくれていて、心強い存在なんです」。

-そのまま教師を続けながら詩を書いていく、という道は考えなかったのですか?
「どんな仕事でもそうだとは思うんですが、やはり、教師というのは、とても責任のある仕事で、詩を書きながら、というのは出来kojikao3.jpgないと思いました。また、教師を続けるには、僕自身もっと勉強しなければいけないと思ったのも事実です。それから、担任したクラスの生徒達のことが、とても好きになって、信頼もしていて、みんなでいろいろ話して...。うまく言えないのですが、これ以上続けられないな、と思ったんです」。

-生徒さんたちも寂しがったでしょうね。
「辞めてほしくない、という署名をしてくれたんですよね...。でも、最後は、やっぱり自分は、詩がやりたい、ときちんと言えて。ただ、詩人になるというのに、ちゃんとした計画やビジョンがあったわけではないんです。でも、なにか本気で、大げさなに聞こえるかもしれませんが、命をかけるというか、そういう覚悟が必要だと思ったんです。ただ、そこからは、行き当たりばったりというか...行ったり来たりというか...。詩人になるための試験とかないですからね。でも、"名乗る怖さ"ってあるんですよね。名乗った時から、少しずつ詩人になってきたと思います。周りも、少しずつ、詩人として見てくれるようになってきましたし。僕も詩を書くということが、どういうことなのか、学んでいきました」。(つづく)

「仙台ポタ」にて、ワンコインプラネと武田さんの連動企画コーナーがはじまりました!こちらもご覧ください。→毎日をもっとハッピーにするポータルサイト「仙台ポタ」