仙台市天文台
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星団・星雲・銀河について

 街明かりがなく、空気の澄んだ所で星空を見ると、天の川の他にも、雲のようなぼんやりしたものを、所々に見ることができます。 これらの物の正体は、銀河であったり、星雲であったり、星団であったりします。昔はこれらをまとめて星雲(特に肉眼で分離できる星の集団については星団)と呼んでいました。
 時が経つに連れて、天体望遠鏡の大型化や観測機器の性能の向上が進んで天体の正体が詳しくわかるようになり、現在では天体の構造などによって次のように分類されています。  
星雲
 ガスの塊で、地球からの見え方や星雲ができた過程などから、さらに細かく分類されています。

 
散光星雲
 
生まれたばかりの星の光などで、輝いている雲のように見られるものを散光星雲といいます。一部に肉眼でも見られるものがあります。代表的なものに、鳥のような姿のオリオン大星雲、いて座の干潟星雲などがあります。

 
暗黒星雲
 
太陽などの恒星はガスの塊の中で誕生します。恒星ができる前のガス雲は重力収縮をして、密度が高いために、光をさえぎります。散光星雲と地球の間にこの塊が重なると、地球からは黒く見えます。これが、暗黒星雲です。

 
惑星状星雲
 
太陽程度の質量の恒星が、進化の最終段階をむかえると、星を作っていた物質をまわりに放出します。このようにしてできた天体が惑星状星雲です。望遠鏡で見ると、惑星ににていることから、この名前いがつきました。肉眼だけで見られるものはありません。
 こと座のM57(ドーナツ星雲)やこぎつね座M27(あれい星雲)などが有名です。

 
超新星残骸
 
太陽よりかなり重い恒星が進化の最終段階をむかえると、大爆発を起こします。これによってガスが周りに飛び散り、形成さたものです。肉眼だけで見られるものはありません。おうし座にあるM1(かに星雲)が有名です。
散光星雲 (オリオン大星雲)

惑星状星雲 (あれい星雲)
星団

 太陽のような恒星が、たくさん集まったものです。星団の場所や星団をつくる星の状態などにより、星団は2つに区分されます。

 散開星団
 10個から500個くらいの比較的まばらな集まりで、若い星たちで形成されています。
 肉眼だけでも、星が分離できるものや、ぼんやりと星雲状に見えるものがいくつかあります。
 おうし座のM45(すばる)や、かに座のM44(プレセペ)など、これまで銀河系内にたくさん確認されています。


 球状星団
 10万個から100万個ほどの星が球状に集まっている星団です。散開星団とは対照的で、年老いた星が集まっています。銀河系のまわりを、球状に取り囲むように分布しています。
 肉眼でも見ぼんやりと見られるものが数個あります。
 有名なものとして、いて座のM22、ヘルクレス座のM13、南半球で見られるケンタウルス座のオメガ星団があります。
 
散開星団 (すばる)

球状星団 (M13)
銀河

 私たちの銀河系は、2000億個くらいの恒星の他に、たくさんの星団や星雲などが集まってできています。銀河系のような天体は、宇宙にたくさん確認されており、銀河と呼んでいます。以前は「島宇宙」や「小宇宙」などとも呼ばれていましたが、現在ではあまり使われなくなりました。
 銀河の数は、宇宙全体に数千億もあることがわかっています。有名なものとして、肉眼でも見られるアンドロメダ座M31があります。
 銀河が集まりを「銀河群」、「銀河団」と呼んでいます。。
  また、銀河よりもさらに遠くには、巨大なエネルギーを放っている「クエーサー」が確認されています。

銀河 (アンドロメダ銀河 M31)


「メシエ番号」と「NGC番号」について

  星団、星雲、銀河をまとめたいくつかのカタログのうち、代表的なものとして「メシエカタログ」と「NGCカタログ」があります。
 それぞれのカタログで付けられた番号が、星団・星雲などの名前として使われています。
 例 アンドロメダ銀河の場合
     ・メシエカタログでは 31番→「M31」      ・NGCカタログでは224番 →「NGC224」
 
■メシエカタログ
 フランスの彗星捜索家として有名なシャルル・メシエ(1730〜1817)が、見た感じが彗星と紛らわしい天体をまとめ、1771年に作成したカタログです。
 カタログに記載されている天体を「メシエ天体」といい、29個の球状星団、27個の散開星団、7個の散光星雲、4個の惑星状星雲、35個の銀河など計110個(うち不明のものあり)が登録されています。
 小口径双眼鏡・望遠鏡で楽しめる星雲星団カタログとして有名です。
■NGCカタログ
 メシエカタログが作成されたあと、時の流れと共に天体望遠鏡の口径が大きくなったり、観測機器の性能が良くなり、より暗い星雲星団まで観測できるようになるりました。そして、メシエカタログだけでは足りなくなってきましたために、ドイツ生まれのイギリスの天文学者であるハーシェルが1864年に作成した星表に、デンマークの天文学者ドライヤーが新たな天体を加え、1888年に発表したカタログです。7840個の星雲・星団・銀河が登録されています。
「New General Catalogue of Nebulae and Clusters of Stars」のカタログ名の略から「NGCカタログ」と呼ばれています。

 

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