15年ぶりに火星が大接近します!~「火星大接近」現象について報道の依頼~

報道関係者各位

2018年7月19日

15年ぶりに火星が大接近します!
~「火星大接近」現象について報道の依頼~

 

 2018年夏、地球と火星が大接近します。火星は約2年2ヶ月ごとに地球と近づきます。特に距離が近いことを「大接近」と呼び、今年は2003年以来、15年ぶりの大接近となります。
 普段はそれほど明るくなく、あまり目立たない火星ですが、大接近時には、夜空の中でもひと際明るく・赤く輝きます。街灯りのある場所でも簡単に見つけることができるため、天体観察が初めてという方にもおすすめです。また、探しやすい時期が夏休みに重なっているため、夏休みの自由研究テーマにもぴったりの天文現象です。
 仙台市天文台(所在地:仙台市青葉区錦ケ丘9-29-32)では、火星大接近について市民のみなさまに知っていただけるよう、天文台で撮影した火星の写真接近の仕組みについて説明したイラストなど、報道の際ご利用していただける素材をご用意しております。
 次に火星と地球が今回と同じくらいの距離に近づくのは約17年後です。ぜひ、この機会に市民のみなさまにご覧いただきたく、「火星大接近」の現象について、報道のご協力をお願いいたします。

<基本情報>
●観察おすすめ期間 7月中旬から8月中
●最接近日(火星と地球が最も近づく日) 2018年7月31日(火)
●最接近時の距離 5759万km
●前回の大接近(最接近日)/距離 2003年8月27日/5576万km ※現在から約15年前
●次回の大接近(最接近日)/距離 2035年9月11日/5690万km ※現在から約17年後
●小接近時の日/距離 2027年2月20日/1億142万km

 

<参考:仙台市天文台イベント情報>
●特別観望会「火星をみよう!!」
7/28(土)-8/3(金)21:00-23:00(7/28のみ21:30-)※晴天時のみ開催
●プラネタリウムこどもの時間「今夜の星空と火星のおはなし」夏休み中の火・木・土曜日 11:30-
●プラネタリウム天文の時間「クイズでわかる!火星大接近」夏休み中毎日 14:30-
●トワイライトサロン「天文台長 土佐誠の宇宙が身近になる話」 ※7月のテーマ「火星」
毎週土曜日17:00-17:45

以上

<お問合せ> 仙台市天文台
〒989-3123
仙台市青葉区錦ケ丘9丁目29-32
EL 022-391-1300  FAX 022-391-1301

 

※大接近日(7/31)は混雑が予想されます。取材にお越しいただける場合には、駐車場確保等の都合上、事前にご一報いただけますと幸いです。

 

 

火星接近の仕組み

 火星は約2年2ヶ月ごとに地球に接近し、地球から見やすくなる時期があります。

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 図のように、火星は地球よりも外側の公転軌道を回っています。地球が太陽の周りを一周するのに365日かかるのに対し、火星は約687日と、地球の2倍ほどの時間がかかります。このため、約2年2ヶ月ごとに地球が火星に近づくことになります。
 また、地球の公転軌道が円に近いのに対して、火星の公転軌道は楕円形をしているため、最接近距離はその都度異なります。火星の公転周期の中で火星が太陽に近いときに地球と接近することを「大接近」とよび、太陽から遠いときに地球と接近することを「小接近」とよびます。
 今回、最も距離が近づく最接近日は、7月31日。距離にして5,759万kmまで近づきます。5,000万km台まで距離が近づくのは、2003年以来、約15年ぶりです。

 

観察のポイント

<肉眼で観察した場合>
★明るさを観察する
 地球との距離が近づくにつれ、だんだんと明るくなっていく火星の姿を見ることができます。今年1月ごろには1.5等級の明るさだった火星は、最接近の7月31日には-2.8等級になり、約50倍明るくなります。
 最接近は7月31日ですが、急激に離れていくわけではなく、前後数週間は接近した状態が続くため、7月中旬から8月いっぱいは、普段よりも数倍明るい火星を見ることができます。

180719_press_kasei02.jpg▲2018年6月23日に仙台市天文台の惑星広場で撮影した火星

★色を観察する
夜空で火星は赤く見えます。これは、酸化鉄(赤サビ)を多く含む火星の地面が、太陽の光に照らされるためです。最接近する7月31日の前後数日は20時頃に、東から西にかけて火星、土星、木星、金星という4つの明るい惑星が見えています。他の惑星と色を比べると、赤さがより際立ってわかるため、惑星ごとの色の違いを楽しむのもおすすめです。

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<望遠鏡で観察した場合>
★模様を観察する
 火星が近づくことで、火星表面の模様を楽しむことができます。火星の模様として特徴的なのが「極冠」と「大シルチス」です。「極冠」は、地球でいうところの「北極」や「南極」のようなエリアです。望遠鏡で見ると、白っぽい色で観察できます。これは、火星の大気のほとんどを占める二酸化炭素が凍ってできたドライアイスの色です。一方、「大シルチス」は黒っぽい色で観察できます。これは、火山岩の台地の色で、形は三角形に見えます。
 ※火星では、気候変化が激しく、大規模な砂嵐が発生することがあります。このため、模様がはっきり見えたり、ぼんやり見えたりと、火星の気候によって模様の見え方が変わります。

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▲2005年に撮影した火星。写真上下の白い部分が「極冠」。中央の黒い三角形の部分が「大シルチス」。

 

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▲望遠鏡で見た火星の様子。日ごとに大きさが大きく見えていきます。

※6/23撮影の火星は、薄曇の中での撮影だったことと、現在火星表面で起こっている砂嵐の影響からか模様が見えづらくなっています。

 

★火星接近についてさらに詳しい情報はこちら→天文情報「2018/07/31 火星大接近」