仙台市天文台フリーペーパー「ソラリスト」Vol.63の特集記事「彗星ってつくれるの?」で紹介している彗星の「尾」についてご紹介します。
■彗星の「尾」ってなに?
彗星の尾は、高温のガスからなるイオンテイルと、塵からなるダストテイルの2種類あり、常に太陽と反対の方向に伸びます。
イオンテイルは、彗星の核から昇華(固体から気体になること)したガスがイオン化し、太陽風によって太陽とは反対方向に吹き飛ばれたものです。イオンは軽いため、高速で細くまっすぐに吹き飛ばされます。また、青みがかった色で見られるのが特徴です。
ダストテイルは、彗星から放出された塵が太陽の光圧によって吹き飛ばされたものです。塵はイオンに比べて重く、ゆっくりと吹き飛ばされるため、彗星の軌道上に広がりながらゆるく曲がっているように見られます。また、太陽光を散乱するため、白色から黄色がかった色で見られます。
■彗星の尾はいつできる?
彗星は、大きな楕円や放物線などの曲線軌道を描いて太陽付近までやってきます。
彗星が太陽から遠いときには、尾はありません。およそ地球の軌道程度の距離(約1.5億km)まで太陽に近づくと、太陽の熱によって彗星の核が昇華してガスや塵が吹き出します。このガスや塵が太陽風に吹き飛ばされることで尾ができます。
太陽に近づくにつれて尾は大きく長くなり、遠ざかるにつれて小さく短くなります。
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