2017年7月8日(土)、「観測のための天文学講座」の第1回目を開催しました。
観測のための望遠鏡講座とは、高校程度の物理と数学の知識を用いて、ひとみ望遠鏡での観測に必要な天文学の基礎を学ぶ全5回の講座です。
興味のある天体について、観測プロポーザルを提出し選ばれると、ひとみ望遠鏡での観測ができるようになります。
▲ひとみ望遠鏡
ひとみ望遠鏡での観測を最終目標にしているため、かなり本格的な内容の講座となっています。これまで「観測」を全くしたことがない!という人には少々ハードルが高いかもしれません。
そんな中、今年は5名の参加者のみなさんで講座がスタートしました。
1回目の内容は、仙台市天文台における「観測」の定義の確認と、ひとみ望遠鏡の性能の説明です。
仙台市天文台における「観測」の定義は、天文台が作成した「望遠鏡活用指針」に記載されています。それによると、観測を以下のように定義しています。
『観測とは、天体や宇宙の理解を深めるために、目的と計画を持って天体データ(画像等)を取得し、解析や科学的な考察を加えた結果を報告・発表・公開する一連の作業をいう。』
一般的に、望遠鏡を使って星を見て楽しむことを、天文台では「観望」と呼んでいて、毎週土曜日の夜、晴天時に開催しているひとみ望遠鏡で星を見る会も、「天体観望会」と名前がついています。
「観望」と「観測」。
少々まぎらわしいですが、講座の最初にしっかりその違いを学んでいきました。
「観測」の定義について学んだ後は、いよいよ「ひとみ望遠鏡」の仕組みについて学びます。
ひとみ望遠鏡がどのような仕組みと性能を持っているか知ることにより、
「天文台の望遠鏡でできる観測って何だろう?」
「自分が調べたいことは天文台だとどうやったらできるのかな?」
といった疑問を解決することができます。
性能紹介では、専門用語も多く登場します。
<講座の中で登場した用語>
焦点光路、光学理論値、冷却CCDカメラ、イメージセンサー(CCDチップ)、FITSデータ、フィルター、ダーク、限界等級、分光器、スペクトル・・・などなど
「知っている単語がある!」という方は、この講座に向いています。
一方、「全く知らなかった...。」という方は、基礎知識だけでもあった方が、より講座の内容を理解できるかもしれません。観測に関する本などを事前に読んでおくとおすすめです。
一見すると難しい用語ですが、スタッフが一つひとつ丁寧に解説していきますのでご安心ください!
2回目以降は、実際に観測対象となる天体について、天文台長が詳しくご紹介していきます。
ご自身がどの天体に興味があるかを知るきっかけにもなりますよ。
今年度の受講生募集はすでに終了していますが、来年度以降も継続して開催する予定ですので、来年に向けて「観測」について学んでみてはいかがでしょう。
次回のレポートもお楽しみに!