仙台市天文台
トップページ >西公園での天文台のようす >西公園

さようなら 西公園の天文台



 クリスマスイブの日、仙台地方は大変穏やかな日でした。休日でしたが朝から西公園の天文台へ。そして、最後の記念すべき作業が待っていました。それは、天文台のシンボルとなっていた41cm反射望遠鏡の解体・移転作業がそれでした。
 1978年の宮城県沖地震で、初代41cm反射望遠鏡は致命的な損傷を受けてしまいました。 当初は修理しようかとも思いましたが、地震見舞いに来られた世界的な天体写真家の藤井旭さんのアドバイスにより、光学系だけを生かし架台関係を更新することとなりました。メーカー選定にも熟慮しました。私としては精度の良い架台を希望していたので、当時望遠鏡メーカーとして最高水準を誇る三鷹光器にお願いしました。約半年後の1979年2月、待ちに待った望遠鏡が到着。その日は、写真のような快晴の日でした。大きなクレーンに吊り下げられた新しい望遠鏡の様子を今でも鮮明に覚えています。
 それから、28年が経た12月24日、写真のような大きなクレーンによって再び吊り下げられ、新しい安住の場所である錦ケ丘の仙台市天文台へと運び込まれました。二度と天体の光を捉えることはない41cm反射望遠鏡、新しい場所でゆっくりと休んでください。

解説 : 小石川

Copyright (c) Sendai Astronomical Observatory. All Rights Reserved.