報道関係者各位
2020年11月12日
397年ぶりに木星と土星が大接近
~ 天文現象の報道協力のご依頼 ~
2020年12月21日から22日にかけて、木星と土星が空で大接近します。接近時、木星と土星の見かけ上の距離は0.1°程度となります(※)。木星と土星が0.1°以内まで接近するのは、1623年以来397年ぶりの天文現象です。
最も接近するのは12月22日午前3時頃ですが、日本ではすでに地平線の下へ沈んでいるため、その瞬間を観察することはできません。そのため、21日か22日の夕方に観察することをお勧めします。(※)満月の見かけの大きさは約0.5°ですので、その5分の1程度まで近づくことを意味します。
肉眼で楽しむことができる現象ですので、多くの市民の皆様に観察していただきたいと考えております。本現象の報道にご協力いただけますと幸いです。
現象の詳細と仙台市天文台でのイベント等については、下記をご参照ください。
何卒、よろしくお願いいたします。
記
<基本情報>
●現象の日時 :2020年12月21日(月),22日(火)の夕方
●木星と土星の位置:方位/南西,高度/約15°(12月21日17時の時点)
●注目ポイント :①江戸時代以来、397年ぶりの大接近である。
②原理的には肉眼でも見分けられるが、1つの星のように見える可能性もある。
③大接近当日だけでなく、接近していく様子も観察すると一層楽しめる。
④肉眼でも望遠鏡でも楽しめる。
<取材について>
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、イベントの事前告知やイベント当日の取材については、状況に応じての対応となります。報道・取材については、事前にご相談いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
<"木星・土星の大接近"のポイント>
▲12月21日18時頃の仙台の空。17時40分頃を過ぎると高度が10°を下回ります。
▲木星と土星の位置関係の変化。時刻はすべて18時で統一しています。
【1】約20年周期の木星と土星の接近
この秋、夜のはじめ頃の南西の空に輝く明るい2つの星が木星と土星です。
木星は約12年、土星は約30年の周期で太陽の周りを公転しています。そのため、約20年ごとに木星と土星が近づくことになります。約20年という周期を考えると、木星と土星が並んで見えるだけでも珍しい現象です。
【2】変わる接近時の距離
接近時の木星と土星の見かけ上の距離は、毎回異なります。たいていの場合、1°程度になることが多いです。ですが今回は0.1°まで近づいて見える、まさに「大」接近となります。
原理的には視力が0.2あれば見分けられます。ですが、周囲の明るさやピントを合わせる能力などにも依るため、まるで1つの星のように見える可能性もあります。「木星と土星を見分けられるのか挑戦!」というのも楽しみ方のひとつになるかもしれません。
次回の接近は20年後の2040年ですが、今回と同じくらい接近するのはさらに40年後の2080年です。
【3】近づいていく様子も見所
この現象の魅力の1つは、肉眼で楽しめる点です。
木星も土星も明るい星ですので、街明かりが明るい場所でも十分観察できます。ただ、低空での現象ですので、建物や山の陰に隠れないように注意してください。
木星と土星は9月頃から徐々に近づいていますが、特に11月からは接近するペースが速くなります。大接近当日だけでなく日々の木星・土星の観察が、今回の大接近を余すことなく楽しむ秘訣です。
また、接近していく過程で月と木星・土星が並ぶ日もあります。見応えがありますので確認しておくと観察の楽しみが増えます。
▲12月17日(木)17時30分頃の仙台の空。三日月と木星と土星が並びます。
【4】望遠鏡では2つの惑星を同時に観察
望遠鏡で木星や土星を観察する場合、普段は個別に観察します。ですが、大接近の前後は、狭い範囲に2つの惑星が集まります。そのため、望遠鏡の種類や設定によっては、木星のガリレオ衛星や土星の環を一度に見ることができます。
<参考:仙台市天文台での天文現象の発信>
(注意)新型コロナウイルス感染症対策等により変更・中止になる場合があります。
■企画展「木星と土星が大接近!」
木星と土星の特徴と、接近の仕組みについてのパネル展を開催中です。見かけ上の距離の変化を撮影した写真も随時追加しています。写真は天文台ウェブサイトからでもご覧いただけます。詳細はこちら⇒企画展「木星と土星が大接近!」
▲企画展の様子。ハートの下に並んでいる写真が記録写真です。
■フリーペーパー「ソラリスト Vol.48」
木星と土星の大接近を少女漫画風に紹介しています。特別観察会の予定も掲載しています。
詳細はこちら⇒「ソラリスト Vol.48」
天文台ウェブサイト内の 関連情報は下記にまとめております。