台長からの2025年のご挨拶
仙台市天文台は、初代台長である加藤愛雄東北大学理学部教授の呼びかけに賛同した市民や在仙企業の皆様の寄付を基に1955年に開台しました。その後、開台の地である西公園にて仙台市直営の社会教育施設として52年間、市民天文台として多くの天文愛好家をはじめとする市民に親しまれてきました。
その後2008年には、この錦ケ丘の地に移転し、PFI(Private Finance Initiative:民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進)方式により、民間事業者(株式会社仙台天文サービス)による維持管理・運営が行われ、今年で18年目となりました。おかげさまで、今年は開台から70年目の節目の年となります。
この節目の年に、仙台市天文台では、移動天文車「ベガ号」の車体の交換を行います。30年を超す期間、市内を中心に移動天文台を開催してきたベガ号が、真新しい姿で登場
します。是非、お近くで移動天文台が開催される際には足を運んでいただき、はるか彼方にある宇宙を身近に感じていただけると嬉しい限りです。
当然、移動天文台にとどまらず、今年も、すべての活動において、「宇宙を身近に」というミッションを常に意識した活動を展開していく所存です。どうぞご期待ください。
私たちにとって身近な宇宙というと、人類にとっては月があげられることでしょう。今年は、その月が地球の影に隠れる皆既月食が9月8日にあります。深夜の天象ではありますが、その日は晴れて、赤く変化した月の姿をぜひ見たいものです。
また、月と並んで土星も宇宙が描かれる際には必ず登場する身近なフォルムだと思います。今年は、約15年ぶりにその土星の環が消失して見える年でもあります。ただし、完全に消失する3月と5月は太陽に近かったり早朝だったりし、観察が難しい天象となります。一方、11月末から12月初旬にかけては、夜間にほとんど見えなくなる状況を観察することができます。当天文台のひとみ望遠鏡で観察することが可能です。是非、土曜の夜の天体観望会にてご確認ください。
月食や土星の環の消失といった多くの方が注目する天文現象のみならず、私たちの生活の中には、宇宙と結びつく事象がたくさんあります。天文台では、宇宙と身近な事象のコラージュを作成しています。それぞれのコラージュの「謎かけ」を考えることで、宇宙が身近になっていくのではないかとも考えています。「謎かけ」の心については、職員にお問い合わせいただき、共感いただけると幸いです。
私たちの社会が「宇宙が身近な社会」になり、たくさんの方々の人生や生活が豊かになって欲しいと、職員一同が願っております。
また、月と並んで土星も宇宙が描かれる際には必ず登場する身近なフォルムだと思います。今年は、約15年ぶりにその土星の環が消失して見える年でもあります。ただし、完全に消失する3月と5月は太陽に近かったり早朝だったりし、観察が難しい天象となります。一方、11月末から12月初旬にかけては、夜間にほとんど見えなくなる状況を観察することができます。当天文台のひとみ望遠鏡で観察することが可能です。是非、土曜の夜の天体観望会にてご確認ください。
月食や土星の環の消失といった多くの方が注目する天文現象のみならず、私たちの生活の中には、宇宙と結びつく事象がたくさんあります。天文台では、宇宙と身近な事象のコラージュを作成しています。それぞれのコラージュの「謎かけ」を考えることで、宇宙が身近になっていくのではないかとも考えています。「謎かけ」の心については、職員にお問い合わせいただき、共感いただけると幸いです。
私たちの社会が「宇宙が身近な社会」になり、たくさんの方々の人生や生活が豊かになって欲しいと、職員一同が願っております。

天文台のあゆみ
西暦(年) | 和暦(年) | できごと |
---|---|---|
1954 | 昭和29 | 天文台建設発起人会,建設委員会結成,建設募金運動展開(4月) 天文台建設着工(施工:橋本店)(9月) 41cm反射望遠鏡(西村製作所製)組立(12月) |
1955 | 昭和30 | 開台(2月1日),観覧業務開始 寄付金及び募金総額238万円(2月) 「仙台天文台」として建設委員会が運営にあたる |
1956 | 昭和31 | 建設委員会から仙台市に寄付,採納(9月) 初代台長に加藤愛雄就任(10月) 仙台市天文台として観覧業務を開始(文化観光課所管)(11月) |
1957 | 昭和32 | 移動天文教室実施(7月) |
1960 | 昭和35 | 仙台市文化観光課から教育委員会指導室所管となる(4月) 学校教育活動として,中学校の天文台実習開始(5月) |
1963 | 昭和38 | 企画展「江戸時代仙台藩の天文数学展」開催(12月) |
1964 | 昭和39 | 展示室新設(12月) |
1968 | 昭和43 | 展示室竣工(5月) 東北初のプラネタリウム館開館(プラネタリウムは前年河北新報社より寄付)(5月) 企画展「望遠鏡展」開催(5月) |
1969 | 昭和44 | プラネタリウム幼児向け投映開始(8月) |
1970 | 昭和45 | 天文台所蔵の渾天儀,象限儀,天球儀が市指定有形文化財となる(2月) 第二代台長に小坂由須人就任(10月) |
1971 | 昭和46 | 講義室,資料室,作業室竣工(10月) |
1973 | 昭和48 | 41cm反射望遠鏡の主鏡と凸面鏡を更新(木辺鏡)(12月) 41cmに同架されていた10cm屈折望遠鏡を15cm屈折望遠鏡に更新(12月) |
1974 | 昭和49 | プラネタリウム館内及び本体機器(五藤光学研究所製)に更新(1月) |
1975 | 昭和50 | 開台20周年,プラネタリウム館開館7周年記念式典挙行(5月) 移動天文教室用自動車更新(5月) 事務室増築(9月) |
1976 | 昭和51 | 天文台ドーム,床取替え工事竣工(12月) |
1978 | 昭和53 | 宮城県沖地震により41cm反射望遠鏡使用不能となり解体(6月) |
1979 | 昭和54 | 41cm反射望遠鏡(三鷹光器製)完成(2月) |
1980 | 昭和55 | プラネタリウム館,展示室増改築完成竣工(5月) 企画展「望遠鏡展」開催(5月) |
1981 | 昭和56 | 22点の展示品設置(3月) |
1982 | 昭和57 | 太陽面爆発観測装置(五藤光学研究所製)完成(4月) |
1983 | 昭和58 | 移動天文教室用望遠鏡を三鷹光器製GN22型に更新 |
1985 | 昭和60 | 開台30周年記念誌「30年のあゆみ」発行(3月) |
1986 | 昭和61 | 新型プラネタリウム導入(五藤光学研究所製),観覧席更新(5月) |
1991 | 平成3 | 第三代台長に岡崎三夫就任(4月) |
1993 | 平成5 | 移動天文車ベガ号導入(五藤光学研究所製20㎝クーデ望遠鏡搭載)(3月) |
1998 | 平成10 | 第四代台長に渡辺章就任(4月) |
1999 | 平成11 | 仙台市教育局内に「天文台のあり方に関する検討会」発足(1月) 同上プロジェクトチーム発足(2月) |
2001 | 平成13 | 新仙台市天文台整備基本構想策定(8月) 入館者300万人達成(12月) |
2002 | 平成14 | 新仙台市天文台整備基本計画策定(6月) |
2003 | 平成15 | 新仙台市天文台整備事業PFI手法導入可能性調査報告(3月) 第五代台長に蓮池芳明就任(4月) |
2004 | 平成16 | 新仙台市天文台整備・運営事業にPFI導入決定(BOT方式)(5月) 新仙台市天文台整備・運営事業入札(11月) |
2005 | 平成17 | 開台50周年記念式典・講演会を国際センターにて開催(1月) 新仙台市天文台整備・運営事業落札者決定(2月) 事業者間協定・株主間協定締結(3月) 株式会社仙台天文サービス(SPC)設立(4月) 事業契約書(仮)締結(4月) 事業契約書 本契約へ移行(6月) ・事業方式:BOT方式 ・事業期間:平成17年6月-平成50年3月 ・事業範囲:設計および建築設備,特殊機材,什器・備品等保有,事業期間終了時までの施設の維持管理および運営業務 |
2006 | 平成18 | プロジェクト契約締結(3月) 新・天文台工事着手(5月) |
2007 | 平成19 | 第六代台長に渡辺章就任(4月) 錦ケ丘に新・仙台市天文台竣工(12月) 西公園の仙台市天文台終了,こども宇宙館閉館(12月) |
2008 | 平成20 | PFI方式による民間企業による維持管理開始(1月) PFI方式による民間企業による運営開始(4月) 第七代台長に土佐誠就任(4月) 錦ケ丘にリニューアルオープン(7月1日) ファンサポーター制度運用開始(7月) 国立大学法人東北大学理学研究科と連携と協力に関する協定を結ぶ(7月) 特別展「□(スペース)のみた宇宙」開催(7月) スタッフサポーター養成講座開始(8月) 「100万人のキャンドルナイト」初開催(12月) 「ソラリスト」創刊(12月) |
2009 | 平成21 | 企画展「日時計の楽しみ」開催(3月) スタッフサポーター活動開始(4月) リニューアルオープンから入場者数50万人達成(6月) 企画展「宇宙の謎を解き明かす」開催(7月) 国立大学法人宮城教育大学と連携協力に関する協定を結ぶ(7月) ブレインサポーター制度運用開始(7月) 企画展「仙台芸術遊泳 平野治朗の『137億光年の旅』」開催(11月) |
2010 | 平成22 | 2010年のテーマを「2010年宇宙の旅」に設定(1月) 第1回「天文台まつり」開催(2月) 「スペシャルプラネタリウム」開始 オーナーサポーター制度運用開始(4月) 企画展「ダンボールプラネット(平面から立体へ)」開催(7月) 巡回企画展「はるかなる宇宙の旅」開催(12月) リニューアルオープンから入場者数延べ100万人達成(12月) |
2011 | 平成23 | 2011年のテーマを「はかる」に設定(1月) 大型望遠鏡の愛称が「ひとみ」に決定(2月) 東日本大震災のため,12日以降臨時休館(-2011年4月15日)(3月) 仙台市生涯学習課天文台係による運営業務(学校教育支援業務)に関する暫定措置終了(3月) 企画展「はかる」開催(7月) |
2012 | 平成24 | 2012年のテーマを「たべる」に設定(1月) 企画展「たべる」開催(7月) 天文台所蔵の渾天儀,象限儀,天球儀が国指定重要文化財となる(9月) リニューアルオープンから入場者数延べ150万人達成(10月) |
2013 | 平成25 | 2013年のテーマを「うつす」に設定(1月) 仙台市生涯学習課天文台係による運営業務に関する暫定措置終了(3月) 仙台天文同好会と連携協力に関する覚書を交わす(4月) 天文ボランティアうちゅうせんと連携協力に関する覚書を交わす(4月) 企画展「うつす」開催(7月) |
2014 | 平成26 | 2014年のテーマを「光」に設定(1月) 企画展「光の謎を解き明かせ!」開催(1月) 企画展「オーロラを体感しよう!」開催(7月) リニューアルオープンから入場者数延べ200万人達成(9月) |
2015 | 平成27 | 2015年のテーマを「起源」に設定(1月) 開台60周年(2月) 「仙台市天文台開台60周年 ミヤギテレビ開局45周年記念 宇宙兄弟展 仙台会場」開催(7月) |
2016 | 平成28 | 2016年度のテーマを「宮沢賢治」に設定(4月) 企画展 KAGAYA「銀河鉄道の夜」開催(7月) |
2018 | 平成30 | 更新工事のため展示室の観覧休止(1月)(-2018年2月28日)
リニューアルオープンから入館者数延べ300万人達成(2月) 施設の大規模メンテナンスに伴う臨時休館(3月)(-2018年3月31日) 展示室リニューアルオープン(4月) |
2019 | 平成31 令和元 |
改修工事のためひとみ望遠鏡の運用休止(1月)(-2019年3月31日)
企画展「宇宙たんけんプラネット~だれもしらない惑星にいこう!~」開催(7月) |
2020 | 令和2 | 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、展示室のみ開館(2月)(-2020年4月10日) 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、臨時休館(4月)(-2020年5月20日) 展示室再開(5月) プラネタリウム再開(6月) 天体観望会再開(7月) 名誉台長に土佐誠就任(7月) 第八代目台長に小野寺正己就任(7月) |
2021 | 令和3 | 仙台藩天文学器機が2020年度(第3回)日本天文遺産に認定(3月) 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため臨時休館(2021年3月26日-2021年5月11日) ミュージアムカフェ(そらカフェ)オープン(5月) 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため臨時休館(2021年8月30日-2021年9月12日) |
2022 | 令和4 | リニューアルオープンから年間パスポート1万人達成(2月) 企画展「宇宙をさわる」開催 リニューアルオープンから入館者数のべ400万人達成(9月) |
2023 | 令和5 | 更新工事のためプラネタリウム投映休止(-2023年4月28日) プラネタリウムプレオープン(4月) プラネタリウムリニューアルオープン(6月) |
2024 | 令和6 | 車両更新のため移動天文車「ベガ号」稼働終了(2025年4月リニューアル)(10月) |
2025 | 令和7 | 開台70周年(2月) 改正博物館法に基づく博物館再登録(3月) |