宇宙のひろば

宇宙のひろばの最新記事

カテゴリ

月別アーカイブ

宇宙のひろば内を検索

お茶と宇宙を身近に~星空茶会レポート

【イベントレポート】

 

chakai00.jpg 

2014年10月11日(土)、仙台市天文台で、茶道裏千家淡交会宮城青年部のみなさんによるお茶会が開催されました。

 

今年で2回目となるこのイベント。

一昨年は中秋の名月にあわせて9月の開催でしたが、今年は秋も深まる10月に行われました。

 

 

「星空茶会~お茶と宇宙を身近に~」

 

タイトルの通り「宇宙・ソラ・星」をテーマとしたお茶会です。

 

 

 

 

天文台のミッションである「宇宙を身近に」に共感された青年部のみなさんが、難しそうなどと思われがちな「茶道」の世界も一緒に身近に感じていただければと、「宇宙×お茶」という異色なコラボ企画が誕生しました。

 

15時からオープンスペースと加藤・小坂ホールにて、「茶道体験コーナー」がはじまりました。21時までの間、随時受付ということもあって、たくさんの方で賑わっていました。

chakai01.jpg

 

お母様が茶道経験者というこちらのお客さま。

最初にお菓子を食べた後、慣れた手つきでお抹茶をお椀に入れて、お茶を点てていきます。

chakai03.jpg

 

お母様は流石の腕前で、あっという間に泡立てていました。

最後は少し手伝ってもらって...完成です!

chakai02.jpg

 

自分で点てたお茶は格別のようで、「美味しい」と嬉しそうに感想を話してくれました。

chakai20.jpg

 

 

一方、惑星広場では、まだ日が沈みきらない明るさの中で、16時から1回目のお茶会が始まりました。

お席主さんがお茶を点てる中、語り部さんがこの日使用した茶道具や飾りの解説をしています。

chakai04.jpg

 

 

夜になると、星々が輝きはじめ、いよいよ「星空茶会」の雰囲気が出てきました。

chakai05.jpg

 

いよいよ夜の部スタートです。20時半の回は、男性の亭主さんによるお茶会。

みなさんお作法の一つ一つに注目しています。

chakai21.jpg

 

お茶を点てている間に、まずはお菓子からいただきます。

 

この日は、仙台市にある和菓子屋「つぼや」から、"流れ星"をイメージしたお菓子をご用意。その名も「星の雫」。なんとこのお菓子、宮城青年部のみなさんが、この日のためにデザインからお願いして作っていただいたものなんだそうです!

chakai11.jpg

 

ゴマの生地を使い、上には流れ星をイメージして、流れるような寒天と、星型の練り切りがのっています。

 

流れ星は、彗星が宇宙空間にまき散らしていったチリが、地球の大気に飛び込んでくることで光ります。そのチリが、使われているゴマくらいの大きさとういう天文小話もありました。

 

 

 

参加者の方にお味の感動をうかがうと、目にも楽しく、お味も何層にも重なった生地がとても美味しかったとか。一日で終わってしまうにはもったいないくらいの完成度なのでした。

 

 

お抹茶は「星野製茶園」のものを使用。まろやかな口当たりのお抹茶が参加されたお客さまを温めてくれました。

chakai22.jpg

 

 

さて、「宇宙・ソラ・星」がテーマのお茶会。それぞれの接点はお菓子だけではありません。

道具の一つ一つにも、繊細な心配りが散りばめられていました。

 

お抹茶を入れるお棗(なつめ)は、地球儀の形をしています。

chakai18.jpg

 

通常、お茶を点てる時に、茶杓(ちゃしゃく)をお棗の上に乗せるそうなのですが、地球儀棗は角が丸いため、お茶を点てて接待する亭主さん泣かせなんだとか。

chakai06.jpg

 

  

茶杓の名前は「銀河」。蓋置(ふたおき)は「黄金のブローチ」と名付けられています。伊達政宗が派遣したヨーロッパ使節団が持ち帰ったお土産と考えられているそうです。

 

また、茶碗を清めたり温めたりした時に使用したお湯や水を捨てるために使う建水(けんすい)は、月をイメージしています。

chakai16.jpg

↑左から茶杓、蓋置、建水

 

 

水差しも銀河をイメージして設えられました。

ガラス白青彩釉角模様」という作品で、秋保のガラス作家さんの作品です。

ふたを閉めた時に見える気泡が、銀河に瞬く星のように見えます。

chakai07.jpg   chakai08.jpg

chakai09.jpg

 

 

お茶碗は菟道窯という窯元の「星座の茶碗」です。天の川と共に、はくちょう座、こと座、さそり座が描かれています。

chakai13.jpg

 

 

茶席の装飾にも工夫が。

 

屋外でお茶またはお抹茶をいれて楽しむお茶会を「野点(のだて)」といい、野点をする際は、野点傘と呼ばれる傘を立てます。

 chakai17.jpg

 chakai12.jpg

 

 

chakai24.jpg 

星空茶会では、傘の柄に「天高群星近」という三玄院閑栖長谷川寛州和尚の筆が掛けられました。意味は「秋の星空は星が近く見える」というもの。

秋の星空茶会にぴったりです。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あわせて飾られた草花はコスモス・リンドウ・ヤマゴボウ。実は、このコスモス、天文台でスタッフが育てた花なんです!コスモスはロシア語で「宇宙」を意味するそうですよ。

chakai23.jpg

 

 

また、茶道において、もてなす側の亭主とお客との間に仕掛けを設け、結界とする慣わしがあります。通常これには竹がよく用いられるのですが、今回は、天文台での開催ということで、竹の代わりに望遠鏡を置き、結界を作っていました。

 

望遠鏡の筒の部分には和紙が巻かれ、惑星をイメージした模様も付けられました。

chakai10.jpg
 

 

さらに、夜のお茶会ということで、光の演出が端々に施されていました。

足元を照らす灯りは、布を織る際に使われる「紋紙(もんがみ)」を再利用したもの。細かな穴がいくつも空いていて、そこからまるで星のように光がぽつぽつと灯ります。

chakai15.jpg

 

 

壁にはウサギの絵柄が映し出されました。

この日、月を眺めるには少し時間が早いので、せめて光で月を、というスタッフの思い付きから生まれました。うさぎが可愛いと、女性や小さな子どもたちに人気でした。

chakai25.jpg

 

 

 

様々な工夫が随所に施された今回のお茶会。

参加されたみなさんもとても満足されており、大盛況のうちに終了しました。

 

茶道裏千家淡交会宮城青年部のみなさん、準備から当日の運営まで、寒い中お疲れ様でした。