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【報告】8.24 伝統的七夕ライトダウン大実験レポート

2012年8月24日の伝統的七夕の日に、青葉区錦ケ丘地区にて実施したライトダウン実験の結果についてご報告します。

【目的】
仙台市天文台では、本来の七夕の夜に、本来の七夕の星空に親しんでいただきたいという理由から、
2012年8月24日の伝統的七夕の日にライトダウン実験を実施しました。

 

【方法】
錦ケ丘地区(1~9丁目)の皆様に、夜9時から7分間、自宅やオフィスの照明を消していただきました。
そして、天の川が見えるのか、また、夜空の明るさに変化があるのかを測定しました。

 

【結果と考察】

(1)天の川は見えたのか?
当日は、曇り(雲量9~10)で湿度90%以上という最悪の天候だったため、
天の川はもちろんのこと、七夕の主役である織姫星や彦星、半月なども確認できませんでした。

 

(2)夜空は暗くなったのか?
SQM(スカイクォリティメーター)を使用し、ライトダウン前後の夜空の明度を測定しました。SQMは、夜空の明度を客観的に測定できる器具で、数値が大きいほど夜空が暗いことを意味しています。目安としては、人工光が全くない暗い夜空では「22」程度、満月が出ている夜空では「17」程度となります。

今回は、20:30~21:30まで5分毎に「街側」「天頂」「山側」の3方向の夜空の明度を測定しました。また、精度を上げるために、各方向でそれぞれ3回測定し、その平均値をとりました。その結果をまとめたものが下記のグラフです。

 

graph.jpg

グラフを見ると、山側(作並方面)の夜空が最も暗く、次いで、天頂、街側(錦ケ丘住宅地)の順に明るくなっています。特に山側と街側の違いは顕著で、時間によっては数値で約1の差が出ました。これは街側の光量が山側にくらべて約2.5倍多いことになります。

また、3方向測定の結果、最も夜空が暗くなった時間帯は、ライトダウン前の20:30~20:40という結果になりました。そして、時間が経つにつれて徐々に数値が低く(夜空が明るく)なっていきました。

これは、実験中の天候が原因と考えられます。測定開始から徐々に雲が多くなり、その雲が鏡のように街明かりを反射したために、夜空が明るくなったようです。

残念ながら今回の実験では、悪天候のためにライトダウンと夜空の明度との関連性を確認することはできませんでした。

 

(3)ライトダウンはされたのか?
住宅やオフィスの明かりの変化を確認するために、20:40から5分毎に街を連続撮影しました。
これらの写真によって、実験中に目視では確認できなかったライトダウンをいくつか確認することができました。 

 

052.jpg

 

 

 ▼ライトダウン後にコンビ二の看板や奥のマンションの部屋の明かりが消えていることがわかります。

02.jpg

 

【今後の課題】
20:30~21:30の街の様子を撮影し動画にしました。
こちらの映像では、ライトダウンによる街の変化は分かりませんが、実験当日の空の変化がはっきりとわかります。

 

 

徐々に雲が増えていき、その雲がオレンジ色に染まっていきました。

錦ケ丘地区には、道路照明灯250灯、街路灯480灯(3丁目を含まず)が設置されていますが、街路灯はナトリウムランプを使用しているためにオレンジ色に発光します。

厚く垂れこめた雲が、このオレンジ色の光を反射したのです。
 

▼愛子駅付近から撮影した錦ケ丘地区の夜空(8月20日に撮影)

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今回の実験では、悪天候により天の川を見ることができませんでしたが、仮に晴天であっても、この街路灯の光が天の川の淡い光を掻き消していた可能性があります。上の写真のように錦ケ丘地区では、住宅の照明よりもオレンジ色の街路灯の方が圧倒的に明るいのです。

天の川は、上空に向いた照明を嫌います。美しい天の川を見るためには、道路を照らすための街路灯が上空を照らさぬよう、景観に配慮した照明の工夫が必要です。

来年の伝統的七夕は8月13日(火)です。仙台市天文台では引き続き夜空の調査を続けていきます。

                                                                      以 上

 

ライトダウンにご協力いただきました錦ケ丘地区の皆様

誠にありがとうございました。