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ふたご座のカストル

ちょっと古い話となってしまいます。

 

3月19日19時45分頃に天文台入りとなりました。
1.3m望遠鏡の立ち上げを行い、冷却CCDカメラの焦点合わせを行えば
観測開始状態となります。
目標とするのは彗星で太陽の通り道・黄道付近には小彗星がいっぱい移動しています。
一つ一つ形状や明るさをチェックしながら撮影を行っていきます。
でも残念なことに暗い彗星ばかり・・・
アマチュアの持っている望遠鏡では到底見ることは出来ません。

 

いくつかの彗星を観測した後、制御室のドアがノックされました。
「誰だろう、今頃・・・」
天文車ベガによる移動天文台を終えてきたKさんでした。
Kさんは言います「ふたご座のカストルを撮影していただけませんか」
「何するの」と聞きますと「プラネタリウム解説で・・・」
自宅の望遠鏡ではよく見る機会はありますが、
1.3mでじっくりと見る機会はありませんでした。
また聞きました「ダルマさんになっているのがいいの」
「もちろんです!」との返答でした。

 

ふたご座のα星のカストルは二重星(実視連星:周期約445年)です。
西公園時代の天文台観望会でも人気の天体でした。
主星の明るさ1.9等、伴星が2.9等で、両星の角距離は4.6秒ほどです。
明るさの違いがダルマさんになって見えるのです。
もちろん1.3mでは楽に分離してみることが出来ます。
でも、いざ撮影となると気流状態が問題となります。
そして、きれいなダルマに撮るためには焦点距離も問題となります。
そこで、火星観測に威力を発揮したナスミス分光焦点を使用することにしました。
焦点距離は12,699mmもありますから十分に分離します。
問題は気流状態、望遠鏡に導入しナスミス台に昇り300倍ほどで覗くと、
「よし、きれいに見えている! さあ、上ってみてください」と。
それを見たKさんも満足していました。
そして、カメラを取り付け撮影し、6枚合成したカストルを見ていただきましょう。

 

HP20100324aGem.jpg

 

大きな望遠鏡になればなるほど、分解能が良くなります。
好条件を狙って、今まで見ることの出来なかった角距離の小さな二重星を
観測の合間に楽しんで行くことにしましょう。

小石川正弘

 

撮影データ

 

撮影日時:3月19日21時55分頃
撮影機材:1.3m反射望遠鏡 ナスミス分光焦点
     キヤノンイオス5D ISO1250 露出1/200秒
     ステライメージVer.6 、フォトショップにて画像処理
     6枚コンポジット
撮 影 者:小石川正弘