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やっと晴れました!

観測ノートを見ると、先月23日を最後に1.3mでの観測はお休みとなりました。
故障? 違います、梅雨のような天候となってしまったのです。

鉛色の空を眺めながら「いつになったら晴れるんだい」と
空に向かって言ったものの、願いは通ぜず3月に突入してしまいました。
月が替わったからと言っても天候は変わりませんでした。
そして、8日を迎えます。
朝から良いお天気、今夜のお天気が楽しみです。

 

19時過ぎ、お天気は快晴です。
観測機材を車に積み込み、いざ天文台へ。
休館日ですから私一人だけでの観測作業となりました。

 

観測準備良し!

 

まず、西空の冬のオリオン座付近を移動している彗星たちを撮影。
その後、コンピュータを使って観測可能な彗星を調べていたら
C/2005 L3 に目が留まりました。
この彗星は、オーストラリア・サイデングスプリング天文台の
マックノートさんが2005年に発見したものです。
予報光度は約17等、1.3mを使用すれば簡単に写る明るさです。
その彗星表示の裏側に、銀河が見えています。
画面を拡大、えっ! すぐそばにりょうけん座の有名な銀河 M94 があるのです。
M94 の明るさは8.2等、視直径は11分もあります。
こんな機会もめったにあるわけではありません。
早速、記念撮影を行うことにしました。

 

1.3m望遠鏡の冷却CCDカメラはダブルチップタイプです。
30mm×60mmのCCDチップが2枚使用されています。
彗星を真ん中に入れてしまうと、チップとチップの境目に入ってしまいます。
撮影は、CCD2 の方にうまく入るように望遠鏡を操作しました。

 

さあ、見ていただきましょう。
彗星が見やすいように白黒反転写真としました。

 

M94_C2005-L3_20100308.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、拡大写真も載せておきましょう。

 

20100309_005355_C2005L3_R03a.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大きなM94銀河は実に見事に写っていますね。
マックノート彗星は、小さいながらも中央部が集光しています。
かすかな尾らしきものも写っていました。
撮影時の両者の角距離は約 5′45″ほどで、再接近は過ぎていました。

そして、位置観測を行った結果が下記(一部)の通りです。

 

 

COD D93
CON M. Koishikawa, Sendai Astronomical Observatory
OBS M. Koishikawa
MEA M. Koishikawa
TEL 1.3-m f/4.85 reflector + CCD

    CK05L030  C2010 03 08.66320 12 50 17.07 +41 05 49.5          17.8 N      D93

 


上のD93は、国際天文学連合より与えられた仙台市天文台のコードNoです。
一番下の数値が、観測時のマックノート彗星の位置を示しており
17.8 N は、彗星中心部の核光度をあらわしています。
全体の明るさはもっと明るくなります。

 

このような位置観測は、多いときで30観測にも及ぶときもあります。
そして、アメリカの小惑星センターに報告することによって
彗星の軌道改良に役立っているのです。

 

今回は、専門的な紹介となってしまいました。

 

小石川正弘

 


■撮影データ

 撮影機材:1.3m反射経緯台 カセグレン焦点 F5  冷却CCDカメラ(冷却温度-121℃)
        露出時間120秒 ステライメージとフォトショップにて画像処理