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今冬一番寒い夜

1月末に火星接近していたのはわかっていたのですが
自宅の望遠鏡を稼動させての観測までいきませんでした。
原因は何かと言いますと「きっと気流は悪いだろう」という先入観です。
それでもがんばって望遠鏡を向けては見るのですが・・・
メラメラという言葉がぴったりの悪気流!早々に後片付けとなります

2月3日から4日にかけて観測のために天文台入り。
一人だけの制御室で、朝方までの観測計画をたてます。
気にかかっていたのは、やはり火星でした。
大型望遠鏡、なかなか好条件にめぐり合うことは出来ません。
よく「こんなにきれいな星空なのに!」といわれますが、
透明度抜群の星空 プラス 気流の安定度が望まれるのです。
冬場の透明度は良いのですが、気流が安定しない時期なのです。
でも、3日から4日にかけてはちょっと違っていました。
夜中前、一通りの観測天体を撮影した後、望遠鏡を火星に向けて見ました。
前回ご紹介しましたナスミス分光焦点での観測です。
最初、50mmの接眼鏡を使用しましたから倍率は250倍ほどになります。
ウィ・リモコンで焦点調節「おっ、よく見える!」
目立った模様のない場所ですが、北極冠や南半球のちょっとした模様が見えています。
次に、24mm接眼鏡に交換、倍率は530倍ほどになります。
今迄で一番よく見える火星です。

大きく明るい火星に見とれていましたら・・・
足元からジンジンと冷えてくるではありませんか。
ナスミス台から降りて制御室の気象センサーに目をやると
外気温は氷点下7度を下回っていたのです。
観測室は氷点下5度、防寒靴を履いていませんでしたから
足元から冷えてしまいました。
それでもがんばって惑星観測用のパソコンをセットし
分光焦点部に昇り、観測用カメラを取り付けて撮像開始。
大きな望遠鏡ですからモニター上の火星もでかい!
最初、2.5倍バローレンズで拡大しましたが、でかすぎました。
次にカメラレンズ用の1.4倍テレコンバーターを使用。
ほどほどの火星像が出来ました。
20カットほど撮像したところで火星観測は終了。
カセグレン焦点に戻し、彗星の観測を再開。
その間、火星の画像処理開始。

さあ、見ていただきましょう。

 

100204b_Ma13.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.3mによる惑星観測の中で一番良い像がえられました。
と言いましても、1.3mの性能を2割ほどしか出してはいないでしょう。
しかし、よく観察してみますと、微妙な色合いなど小さな望遠鏡とはちょっと違う
何かを秘めているようです。
それを引き出すためには、もっともっと気流がよくならなければなりません。
きっといつの日か驚くような好条件にめぐり合えることと信じています。

いろいろな観測は、明け方5時過ぎまで続きました。
そこで気象センサーを見てビックリ!
氷点下10度にもなっています。
暑いよりは寒い方が好きな私です。
それなりの防寒着も用意しています。
オーロラを見たイエローナイフで氷点下42度を体験していますから
氷点下10度なんかなんてことありません。

帰宅後、愛犬とともに早朝散歩へと出かけました。
これからもっともっと良い惑星像を撮らなくてはと、
朝焼けの東を空も見ながら誓いました。


                                                                                       小石川正弘

撮影データ
撮 影 日:2月4日01時32分頃
撮影機材:1.3m 反射経緯台 ナスミス分光焦点 F10(f12,699mm)
          ATK-2C カメラ  915枚コンポジット
     フォトショップ、ステライメージにて画像処理