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特異小惑星 2010 AL30 大接近!

昨日の天文観測コーナーでもお知らせいたしましたが、

特異小惑星 2010 AL30 の撮影に成功しました。

13日は、強い冬型のため降雪気味で観測不可能ではと思っていました。
ところが、夕方から雪雲が切れ始めたのです。
早々に帰宅し、早い夕食を済ませ19時過ぎには天文台入りとなりました。

 

この天体は地球再接近の21時20分頃には、1分間あたりの移動量が1000秒以上にもなります。
満月が約30分ですから、秒に変換すると60をかけて1800秒となります。
そうすると1分間あたり月の半分以上も動くこととなりますから
ものすごいスピードというほかありません。
そのスピードを望遠鏡で制御できないかとも思ったのですが・・・
準備不足でした。

 

そんなことで「待ち伏せ大作戦」をとることにしました。
天体の予報位置は大変詳しく計算できます。
それを基にして望遠鏡に数値を入れ込み5分ほど先の位置で待ち伏せするのです。
例えば、今の時間が20時00分とします。
望遠鏡には20時05分の天体位置を入れ込んで先回りしておきます。
所定の時間がきたら露出開始とします。
今回は約1分前のシャッターをONとしました。

 

天体の明るさの予報は、約14等程度ですから十分に写る明るさです。
しかし、相手は高速で移動していくわけで
実際の明るさはそれよりも暗くなってしまいます。
経験から言っても16等以下ではないでしょうか。
観測開始が20時で、5分おきに撮影していくことにしました。
露出時間は60秒、90秒、120秒の3種類行ってみましたが
見た目には90秒が一番収まりが良いようでした。

 

1.3m経緯台のカセグレン焦点は補正レンズが入りF5の明るさにしてあります。
その焦点部に冷却CCDカメラがついています。
光を受ける受光部は30mm×60mmと言う大きなチップが2個ついていて
写野は30分角、ほぼ満月1個が入ってしまいます。
その写野の中を高速で 2010 AL30 は移動して行ったのでした。

 20100113_205915_02h35m53s_p12_56_22_2010AL30c_R12_01_2_s.jpg

それでは撮影に成功した写真を見ていただきましょう。

片方だけの画像ですが、それでも見事な軌跡となっていますね。
上方にある明るい星は約8等星です。
さらに、軌跡の下の方にはIC238銀河が写っていますが、

明るさは14等ほどです。
軌跡の濃さから見て、

高速で移動する天体がいかに暗いかが想像つくことでしょう。

今回の観測で、高速で移動する天体の動きを1.3mとともに体験することが出来ました。
これからの観測の中でこの経験がきっと役立つことでしょう。

 

 

 

小石川正弘


■観測データ

撮影時刻:20時59分20秒から90秒間露光
撮影機材:1.3m反射経緯台 カセグレン焦点 F5(f6350mm) Rフィルター
               ステライメージとフォトショップにて画像処理
撮 影 者:小石川正弘