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いて座 第3新星 (Nova Sgr 2009-3)

今年の夏は天候不良、そして晴れても長続きしません。
ジリジリと暑い、うるさいくらいのアブラゼミの泣き声は
どこに行ったのでしょうか。

天候が悪いと天体観測にも大いに支障があります。

例えば、木星です。
7月19日に何かしらの天体が木星に衝突しました。
その衝突痕の追跡は世界中の観測者が連携を組んで対応しています。

緊急性を要する天体確認や追跡観測もあります。
それは、彗星や新星、超新星の新発見です。
こればかりは、天候にはかないません。
確認依頼が来ても天候が悪ければ、指をくわえて空を眺めるだけ。 そんなことが8月上旬に起きました。

仙台七夕期間中の6日午後9時頃のことでした。
福岡県の西山浩一さんと佐賀県の椛島冨士夫さんたちが
夏の星座のいて座を105mmレンズで撮影中に
比較的明るい新星を発見しました。
今は、CCDカメラを使用したデジタル撮影が主になっていますから
新天体はすぐにわかってしまいます。
その発見の報を見たのですが、天候が悪い!
結局14日の夜まで観測はできませんでした。
ところが発見位置は、南天の低いところだったのです。
大型望遠鏡になると、低いところでの観測高度が限定されてしまいます。
1.3mの場合の低高度リミットは15度となっています。
それ以下になると望遠鏡はストップしてしまい観測不能となってしまいます。
その天体は21時頃に南中しますが、その時の地平高度は18度しかありません。
観測時間は限られてしまいました。

 

090826-Nova-Sgr.jpg

観測は、ナスミス眼視焦点にデジタルカメラを取り付けて行いました。
その後、24日にも再観測を行うことができました。
14日の写真の中の数字は、星の明るさを示してあります。
108と示してある星の明るさは、10.8等級となります。
そうすると14日の新星の明るさは、9.5等級より明るそうなので9等級となりますね。
24日の写真(下)を見てください。
10.4等級と同じくらいの大きさとなっています。
10日間で1.4等ほど減光したことになります。
さらに24日の写真では、新星の色調が赤色化していることが判明しました。
これだけハッキリと色の違いが出たのは、1.3m望遠鏡の集光力の威力でしょう。

これから、どんどん観測条件は悪くなっていきますが
できる限り追跡していきたいと考えています。

小石川正弘

使用機材:1.3m反射経緯台 ナスミス眼視焦点 キヤノンイオス5D ISO1000 露出1分