仙台市天文台
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現代天文学への招待 東北大学 関宗蔵氏

関宗蔵氏
イラスト/池辺 由加里

2004年7月10日(土)
13:00から15:00まで。
仙台市天文台 講義室にて


講演 「宇宙を測る新たな手法:偏光観測の威力」

 夜空に輝く無数の星々。光の点としてしか見えないそれらの正体は何かについて調べるには、どうしたらよいでしょうか?
 私たちは地球に絶え間なく降り注がれる天体からの光(電磁波)が携える情報を、これまで主として分光学や測光学の手法により解読することで、恒星はもちろん、遠くの銀河や、宇宙の始まりから未来に関する知識を得てきました。
 偏光は、光(電磁波)の最も基本的な性質で、波の伝搬方向に垂直な平面内を規則的に振動するベクトルとして現れます。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、実は、液晶デイスプレーやサングラス、立体映画用眼鏡などに応用され、宮沢賢治の作品にもしばしば登場します。また、ミツバチや鳩などいくつかの昆虫や鳥類では空の偏光特性を利用した太陽コンパス航法を身につけているそうです。
 天文学では、近年、時間、空間、波長のそれぞれの分解能が高い観測が可能になり、天体の偏光特性を詳しく調べる研究が急速に進んでいます。その結果、どのように大きな望遠鏡でも決して見ることが出来ない天体の姿・形を偏光法により描きだすことが出来るようになりました。
 この講演では、偏光という新しい手段で宇宙を探る最新の研究成果や、東北大学のグループが世界に先駆けて開発した分光偏光器を用いた観測について、お話しします。

     東北大学大学院 理学研究科 関 宗蔵 先生より

「ハッブル変光星雲の偏光地図」



2004年7月10日(土)
13:00から15:00まで。
仙台市天文台 講義室にて

 

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