仙台市天文台
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隕 石
 
隕石 石質隕石 コンドライト コンドライト 未分化の隕石
(一度も溶けたことがない)
炭素質コンドライト
エイコンドライト 分化した隕石
(一度溶けて鉄石に分けられた)
石鉄隕石
鉄隕石
   

モートン隕石
(コンドライト)
Morton,Texas,1980

◆コンドライト隕石
StoneMeteorite Chondrite

1985年テキサスのモートンで発見されたH6コンドライト隕石である。落下した隕石の85%をしめるこの隕石はすべての隕石のもとの物質と考えられている。
コンドライト隕石特有の2〜3mmの粒状の組織(コンドリュール)が見られる。コンドライトの鉱物組織は単純であり、かんらん石と輝石 からなりたち、少量のニッケル鉄・斜長石・トロイライトをともなっている。
   

アエンデ隕石
(炭素質コンドライト)
Allende,Mexco,1969

◆炭素質コンドライト隕石
StoneMeteorite Chondrite

1969年2月3日にメキシコのアエンデに落下した炭素質コンドライト隕石である。太陽大気の元素存在度とほとんど一致している。炭素質というのは、いろいろな化合物や有機物の形で炭素原子を含むことによる。そのほか水を含水鉱物の形で含んだり、硫酸塩、炭酸塩、硫黄などの揮発性物質も含む。したがって、生成の後熱の作用をほとんど受けていない太陽系の一番始原的な隕石である。
   

ミルビリリ隕石
(エイコンドライト)
Millbillibillie,West Australia,1960

◆エイコンドライト隕石
Stone Meteorite Achondrite

1960年10月西オーストラリアのミルビリリに落下が目撃され、1970年に至って、砂漠地帯で多数発見された。これは地球大気に突入した 衝撃で爆発散乱した集団落下である。エイコンドライト隕石は一度熱によって分化されて石質部分のみが残った隕石である。白色部分は斜長 石,灰色部分は輝石である。火成岩(玄武岩)とよく似ているため,風化してしまうと区別 が難しくなる。
   

ブレナム隕石(石鉄隕石)
Brenham,Kiowa County,Kansas USA,1882

◆石鉄隕石
Stony-Iron Meteorite

1882年年アメリカ・カンサス州で発見された典型的な石鉄隕石である。断面の金属部分がニッケル鉄で他の部分がカンラン石である。鉄の部分はFe-Ni合金で石の部分がケイ酸塩鉱物であり、等量 ずつ混じり合ってできている。石鉄隕石の隕石全体に占める割合はきわめて少なく(隕石全体の約2%程度)大変貴重なものである。この隕石は石鉄隕石の特にパラサイトPallasiteと呼ばれるもので、ケイ酸塩鉱物が斑状に凝固した様子が見られる鉄ニッケルの集合体であり、ニッケル鉄にはトロイライトとシュライバーサイトの小さな凝固物が見られる。
   

ギベオン隕石(鉄隕石)
Gibeon,Namibia,1838

◆鉄隕石
Iron Meteorite

1838年アフリカのナミビア・ギベオンで発見された鉄隕石である。ほとんどが鉄なので比重が大きく、持ってみると非常に重い。90%の鉄と8%のニッケルなどからできている。表面 を研磨して酸で腐食させると、ウィドマン・シュテッテン組織が表れる。ニッケル含有量 の低いカ マサイトをともなう合金の平行連晶で、八面体構造を持つのでオクタヘドライトといわれている。これは100万年に数度の割合で非常にゆっく り冷却したことを表している。この構造は、100000気圧で300度程度までゆっくり冷却するときにつくられる。したがってこの隕石は惑星程 度の母天体の内部で誕生したことになる。


 

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