仙台市天文台
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仙台藩の観測器

   

◆渾天儀 Armillary Sphere
仙台市指定有形文化財 昭和45.2.23指定
直径105cm 江戸時代

 渾天儀は、星の位置を測定するものである。この渾天儀は日本に現存する唯一のものとされ、仙台藩の天文学者戸板保祐(1708〜1784)の設計により作られた。
 青銅で作られた3つの固定輪は、地平線、天の赤道、子午線を表わし、中央の棒の付いた可動輪を使って星の位 置を測定する。角度目盛は全周を365.25等分した東洋独特な太陽の一日の移動角となっている。地平輪の裏面 には安永5年(1776)の銘がある。

   

◆象限儀 Quadrant
仙台市指定有形文化財 昭和45.2.23指定
江戸時代

 象限儀は、星の高度観測に用いたものである。回転する垂直軸に一辺80cmの90度の扇形の台木をつけその円周部に真鍮(しんちゅう)製目盛板を固定し、四角筒の星を観測する望遠鏡がついており星の高度を測ることができる。これで星を視準し、目盛板についている副尺により角度を30秒(1度の120分の1)まで読み取ることがことができる。
 現存する象限儀のうちで副尺までのこっている唯一の例である。真鍮製であることや直角を90度にしていることから、西洋天文学の輸入後に仙台藩の天文方で戸板保祐の弟子によって製作されたものと考えられる。

   


◆天球儀 Celestial Globe
仙台市指定有形文化財 昭和45.2.23指定
大 直径90cm 小 直径40cm 江戸時代

 天球儀は、天を模型にしたもので、大小2つある。
 大きいほうは、木製台に直径70cmの漆で固めた張子の球体が回転するように作られ、球には全周を等分する経緯線が引かれている。
 小さい方には、黄道にそって月日が記入されていて,惑星の観測値を記入したものと思われる。
 仙台藩の天文方戸板保祐の作で安永年間(1772〜1781)に作られたと思われる。


 

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