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Chen-Gao彗星(C/2008 C1)
2008年2月28日

Chen-Gao彗星(C/2008C2)

 先月上旬の事です。一つの小彗星発見「テェン・カオ彗星 C/2008C1(Chen-Gao)」が報じられました。データを見ていくと、発見者は中国人のようです。そのとき思いました。広大な中国の地です。観測条件最良の場所で、精力的に観測を行なえば、新天体発見も夢ではないと。さらに、発見データを見て驚きました。その小彗星発見のために使用した機材は、日本製のデジタルカメラが使用されていたのです。口径70mmでF2.8のレンズを使用したとの事。実は、私の観測用カメラで主流となっているのがデジタルカメラなのです。光害のある場所での観測には、デジタルカメラの威力は申し分ありません。フィルムの時代、20分間も露出をかけなければよく写らなかった天体が、わずか数分で写ってしまうのです。と、言うので月明かりのない夜には、愛用のデジカメを31cm反射に取り付け超新星パトロールに使用したり、各種望遠レンズを取り付けて新星捜索を行なってみたりの大活躍!なのですが・・・成果はまだです。お陰でフィルムを使用する高級カメラは機材庫の中でお休みしています。
 写真を見てください。結果がすぐわかるデジカメです。カシオペヤ座の中の予想位置に望遠鏡を向けて撮影。すぐに撮影画像をカメラ付属のモニターでチェック。天体の有無がその場で確認できますから大助かりです。写野中心に持ってきて連続撮影、それをコンピュータ上で合成しました。彗星の明るさは12等程度でしょうか。31cm反射望遠鏡高倍率でもなんとなく確認できました。ただし、撮影した夜は強雨風が吹き荒れて撮影コンデションは最悪、写った星像はボケボケでした。
 これからこの彗星は、天の川に沿って南下していきますが小望遠鏡で見えるようにはならないようです。

解説 : 小石川

 

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