仙台市天文台
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もうひとつの彗星 ロニオス彗星(C/2007 F1)
2007年10月28日

ロニオス彗星(C/2007F2)

 忘れていました。ホームズ彗星の陰に隠れた彗星が・・・28日近日点通過(太陽に一番近い)となるロニオス彗星を。
 28日日曜日は、すばらしい天気に恵まれ、西に地平線まですっかり晴れ上がっていました。よし、夕方西空に見えているロニオス彗星観測に出かけようと決心したのですが、出張観測は久しぶりなので観測機材の用意がうまくいきません。結局、自宅庭で観測機材を組み上げてからの出動となりました。
 観測地は自宅から車で15分くらいのところにある草地。西空の視界は申し分ないところで、30年以上も利用しているところです。明るいうちから機材を組み上げ、暗くなるのを待っていました。木星が見え、こと座のベガを確認し、北極星を見つけて極軸合わせです。その頃から西空に雲が出始めました。雲の切れ間からの観測を覚悟しました。ロニオス彗星付近を双眼鏡で見るものの、その姿を確認できません。そして、大事なことを忘れていることに気が付きました。そうです。天体の位置を書いてある資料を自宅に忘れてきてしまったのです。17時過ぎています。天文台の職員がいるのではと思い、携帯電話をかけて見るとT台員がいました。T台員に位置を聞いて、望遠鏡の目盛環を使用して導入し撮影、見事視野中心にロニオス彗星を捉えることができました。上に見えている黒いところが雲です。案の定、狭い雲間からの撮影でした。彗星は、きれいな緑色をしていますが、残念ながら双眼鏡では確認できませんでした。明るさ的には6等以下でしょうか。
 ロニオス彗星は、これから観測条件が悪くなっていきますので、最後の観測となるでしょう。

解説 : 小石川

 

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